トヨタは2026年2月6日、4月1日付の役員人事と第122回定時株主総会で取締役の体制について発表した。
現在は代表取締役社長の佐藤恒治が副会長となり、新設するChief Industry Officer(CIO)に就任し、現在、執行役員の近健太が社長・CEOに就任することになった。

1月から自動車工業会の会長となった佐藤恒治氏が副会長・CIOとしてトヨタを含む産業全体に軸足を置き、近氏が社長・CEOとして社内に軸足を置く新しいフォーメーションに変更したと説明している。
この役員人事は、1月に開催された役員人事策定委員会で提言されたという。役員人事策定委員会は社外取締役らを含む組織だが、豊田家の意思も色濃く反映されていると見るべきだろう。

新役員案のベースになっているのは、佐藤恒治氏がトヨタのCEOであると同時に、1月から自動車工業会の会長に就任し、さらに2025年5月から経済団体連合会(経団連)副会長を努めており、過重な役務になっていることだとしている。
そのためトヨタという現場を離れて、自動車工業会、経団連の業務に専念するための新設されたCIO職となり、新たなトヨタのCEOとして、かつてトヨタの副社長を努め、ウーブン・バイ・トヨタの最高財務責任者(CFO)を経て2025年7月からトヨタのCFOに復帰した近健太氏が就任することになったわけだ。

近氏は、かつては豊田章男会長の秘書を8年間務めた経歴もあり、財務、経理畑を歩んでおり、トヨタで財務、経理畑の人材がCEOに就任するのは異例である。新たに就任する近CEOは、トヨタの当面の課題である「稼ぐ力」の向上、「損益分岐台数の改善」に取り組むとされている。
トランプ関税の逆風、インフレによる原材料や部品価格の高騰など厳しさを増す現状で、よりコストを低減し収益性を高める役割が求められている。
なお佐藤恒治CIOは、定期株主総会をもって代表取締役を退任し、新たに近健太CEOが就任する。したがって、佐藤恒治CIOはトヨタの直接的な経営からは退任することになる。
こうした新役員体制により、豊田章男会長がトヨタ・グループ全体を統率していることには変更がなく、佐藤恒治CIOは豊田章男会長の分身として自動車工業会、経団連を担当し、今健太CEOがトヨタの経営を担当するという体制になったことになる。













