【訃報】トヨタ名誉会長、豊田章一郎さん亡くなる

トヨタのかつての会長、社長、現在までは名誉会長を務めていた豊田章一郎氏が2023年2月14日に逝去した。享年97歳。

トヨタの創業者である豊田喜一郎氏の長男で、1947年に名古屋大工学部機械科を卒業。1955年には名古屋大学で「燃料噴射に関する研究」で工学博士の学位を取得している。

1952年にトヨタ自動車工業に取締役として入社し、検査部長・特殊研究室室長を兼任した。1981年にトヨタ自動車販売代表取締役社長・兼トヨタ自動車工業取締役に就任し、1982年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の工販合併により誕生したトヨタ自動車の初代社長に就任している。

工販合併前の1957年に、当時のトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の共同出資により設立された米国トヨタ自動車現地法人から初代クラウン・アメリカ仕様車を発売した。この発売に先立ち、豊田章一郎氏は現地適合テストのためにアメリカ各地を走行したが、インターステート・ハイウェイでまともに走ることが難しく、エンジンのオーバーヒートから操縦安定性の不安、さらに各種の機械トラブルが多発し、現場で自ら修理に苦労を重ねたことを後に語っている。

また、1980年代にはアメリカでの日米貿易摩擦、特に自動車で日本車のシェアが高まったことで強い圧力が日本に加わり、トヨタは1986年1月、米国とカナダの現地法人としてトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・USA(TMM、現TMMK)、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダ(TMMC)の2社を発足した。この現地生産は慎重に検討され、豊田章一郎氏が決断を下している。

こうしたこともあって、豊田章一郎氏は自動車産業に貢献した人物を表彰する「自動車殿堂」入りを果たしている。

豊田章一郎氏は現在のトヨタの磐石の基盤を作り上げているが、元来はエンジニアであり、きわめて謙虚で真面目な性格であり、パフォーマンス的な行動を好まなかった。

2022年まで社長、現在のトヨタ会長となった豊田章男氏は豊田章一郎氏の長男である。

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