トヨタ 今後10年間でアメリカでの車載用電池生産に3800億円を投資

トヨタは2021年10月18日、カーボンニュートラルの実現に向けて一層の電動化を推進するため、2030年までにアメリカで電気自動車用を含む車載用電池の現地生産に約3800億円(約34億ドル。用地、建屋費用を除く)を投資すると発表した。なお、この投資金額は9月に公表した、2030年までにグローバルにおける電池供給体制の整備と研究開発を行なうための投資約1.5兆円の一部としている。

2022年にデビューするトヨタの当面の世界戦略EVモデル「bz4X」

トヨタは9月のグローバルでの電動化戦略、バッテリーに関するに対する取り組みに関する発表で、大市場であるアメリカにおけるバッテリー戦略を明らかにしていなかったが、今回の発表でようやくその一端が明らかになったといえる。

車載用バッテリーは、重量が重く輸送するのは不利であるため、車両の組み立て工場のある隣接地にバッテリー生産工場を設置するのが合理的だが、トヨタはこれまでアメリカ市場におけるバッテリーの調達、生産に関しては明言してこなかった。が、ようやくバッテリー調達の戦略骨子が固まったわけだ。

今回の発表によれば、車載用バッテリーの現地生産に向けた取り組みを推進する第一歩として、トヨタの北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.(TMNA)が、豊田通商とともにアメリカで新会社を設立し、2025年からの製造を目指すとしている。このプロジェクトでは、2031年までに約12億9000万ドル(約1430億円。用地、建物の費用を含む)の投資と、現地での新規雇用1750人を見込んでいるという。

TMNAの小川哲男CEOは、「トヨタは、引き続き車両の電動化を通じ、環境、米国の雇用、お客様に貢献し続けることを目指してまいります。今回の投資により、米国のお客様にとって手頃な価格の電動車を提供し、CO2排出量の大幅な削減に貢献するとともに、モビリティの将来に欠かせない米国での雇用創出にもつなげてまいります」と語っている。

同時に、トヨタは車載用リチウムイオン電池の現地サプライチェーンの構築を推進し、現地生産のノウハウの蓄積と発展を目指すという。新会社は、まずはハイブリッド向けの車載用バッテリーの生産を行なう予定だ。また、バッテリーの開発と供給の両面から体制を整えるとしている。

なお、新会社の拠点、生産能力、事業構造などの詳細は、今後改めて公表するとしており、現時点ではまだ多くの点で具体化していないと推測することができる。

トヨタ 関連記事
トヨタ 公式サイト

COTY
ページのトップに戻る