トヨタは2019年4月25日、愛知県の豊田市と岡崎市にまたがる山間部の、約650.8ヘクタールの土地に建設を進めてきた新たな研究開発施設「テクニカルセンター・シモヤマ」では、カントリー路を中心とした中工区の工事が完了し、同日一部運用を開始した。
2023年にフル稼働
トヨタは豊田市の本社地区における研究開発機能を強化しており、この「テクニカルセンター・シモヤマ」もそのひとつだ。この新たなテストセンターは豊田市の本社地区から約30分という好立地にある。2023年度の本格稼働までに、総額約3000億円を投資し、用地取得や施設建設を進めており、完成時には約3300人の従業員が勤務する予定だ。
今回運用を開始した全長約5.3kmのカントリー路は、世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンクを長年走りこんできた経験をベースに、自然の地形を活かした約75メートルの高低差と多数のカーブが入り組んだ厳しい走行環境を持つテストコースとして設計されている。今回の運用開始時には、まず評価ドライバーを中心に約50名が勤務する。
この施設は、2023年度の本格稼働時までに東工区には高速評価路や世界各地の特殊な路面を再現した特性路、西工区には車両開発施設を設置する計画だ。新研究開発施設の建設にあたっては、環境保全の取り組みとして敷地面積(約650ha)の約7割で、その土地本来の森林を残し、保全を行なうことに加え、緑地を新たに造成するなどし、自然環境の適切な維持・管理に努めていくとしている。