【GM】プレミアムセダン、新型「キャデラック CTS」を発表 軽量ボディに2.0L直噴ターボ搭載

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2013年12月4日、GMジャパンは、アメリカン・ラグジュアリーの新型「キャデラックCTS」を発表し、2014年4月12日から販売を開始すると発表した。3代目となる新型キャデラックCTSは、今年3月に開催されたニューヨークショーで発表され、アメリカでは10月から発売されている。

デザインは、キャデラックのテーマであるアート&サイエンスを基本にしながら、従来型より「より低く、より長く、よりスリム」をキーワードにリファインされている。走りを重視したスポーツセダンであることを守りながら、Dセグメントならではのラグジュアリーさやエレガントさを強調している。なおキャデラックではCTSはミッドサイズと表記されるが、アメリカ基準のフルサイズに対してのミッドサイズという意味で、ヨーロッパ方式ではDセグメントで、メルセデスEクラス、BMW5シリーズと同格になる。

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ボディサイズは、全長が100mm、ホイールベースが50mm延長され、ルーフ高さ、ボンネット高さは5mmダウンされ、より伸びやかなフォルムに。その一方で大型のフロントグリル、テールフィン形状、V字シェイプなどはより強調しながら継承している。また、フロントやリヤの間接発光のLEDランプがCTSの個性を訴求している。特にフロントのLEDはフェンダーからバンパーまで繋がり、ウインカーとしても機能するクリスタルを意識した特徴的なデザインだ。縦形ヘッドライトはアダプティブ・フォワード・ライティング(AFL)を備え、コーナリング連動ライトとして機能する。

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インテリアは典型的なドライバー重視の左右非対称デザインとなっている。インテリア・トリムは、サペリウッド(CTSラグジュアリー)とカーボンファイバー(CTSエレガンス)が使用されている。また、職人による手仕上げの本革シートを標準装備。電動調節式本革シート(メモリー付)で、フロント席には、シートヒーターとベンチレーションも標準装備される本革巻ステアリングホイール(ステアリングヒーター付)は、両グレードに標準装備される。

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こうした伝統的なクラフトマンシップとは対照的に、最新のインフォテイメント「CUE」(キャデラック・ユーザー・エキスペリエンス)を備えている。スマートフォンのような使いやすい総合的なインターフェースとなっている。CUEは、最大10回線のブルートゥース通信やUSB、SDカード、MP3プレーヤーなどからのデータを取り込み、4個のボタンを利用して簡単に操作できる。最大60個の“お気に入り”が登録可能で、例えば、ラジオ局や連絡先、楽曲などを保存することができる。

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また究極のサウンドを実現する「Boseサウンドシステム」も搭載する。このシステムは13個のスピーカー、10チャンネルのハイエンドなサウンドを生み出すことができる。さらにBose社と共同開発のアクティブ・ノイズ・キャンセレーション(ANC)も装備。クルマから伝達される不快なノイズを逆位相の音波で消去している。

もちろんボディ側での吸遮音対策も万全で、ダッシュパネルをサンドイッチするアコースティックバリアを採用し、室内側はパネル形状にフィットし、エンジン側は30mm厚のグラスファイバー製。減衰フォームをGMとして初めてフロントシートの表層に使用し車両からの共振を吸収する。さらに遮音ウィンドシールド、フロントサイドウィンドウガラスなど 採用している。

新型CTSのプラットフォームはATSと共通化されているが、セグメントでトップとなる軽量さと強靭さを目指して開発された。軽量高張力鋼板、焼付硬化性鋼板を使用した強固な骨格に前後ドア、ボンネットなどはアルミ製、さらにダッシュボードフレームはアルミ押し出し材、ストラットタワー部は高圧ダイキャストアルミ製で、エンジンマウントはマグネシウム製とするなど軽量素材の使用によって新型CTSの車両重量は、1680kg(CTSラグジュアリー)に抑えらている。これは、2013年型のBMW528iよりも90kg軽く、従来型CTSに比べても7%軽量だ。ちなみにアルミ製前後ドアはスチール製と比べ、ドア1枚あたり7.5kg軽量化されている。

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同セグメント車とのパワーウエイト比較

またCTSは合計116mにも及ぶボディ接合部に構造用接着剤を採用することでCTSはより優れた乗り心地とハンドリングより静粛なキャビンを実現している。新型CTSは、従来のモデルに比べボディ剛性は40%向上しているという。

ボディ以外ではフロント・サスペンション大半のリンクにもアルミ材が採用されている。ただし、リヤのサスペンション・サブフレームはスチール製だ。これは、振動とノイズの抑制に効果的であり、同時に50:50の前後荷重配分を実現するのに役立っている。またアルミ製フロントサブフレーム下部に補強材が追加され、スムーズな乗り心地と正確なハンドリングを引き出している。

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サスペンションは、フロントがダブルピボット式ストラット、リヤは5本リンクによるマルチリンク式だ。リヤはロールセンター変化とトー変化を抑制するようにチューニングされている。またCTSエレガンスは、マグネティック・ライドコントロール(磁性流体減衰力制御システム)が標準装備されており、この先進的な可変ダンピングシステムは、1/1000秒毎に路面状況を検知し、5/1000秒でダンピングを変化させるもので、精密なボディコントロールが可能になっている。

ステアリングは、優れたレスポンスと中立付近の安定感を備えるZFレンク社の可変アシスト制御式電動パワーステアリングを採用している。ブレーキはフロントにブレンボ製対向ピストン式キャリパーを装備している。

新型CTSは、アメリカ本国では3.6L・V6型ツインターボ(420ps/583Nm)3.6L・V6型自然吸気(321ps/371Nm)と2.0L・直4ターボの3種類がラインアップされているが、日本に導入されるのはダウンサイジング・コンセプトの2.0L・直4ターボのみだ。

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CTS用の2.0Lターボエンジンは、直噴と可変バルブタイミング付で、パワーと効率を最適化し、エミッションも低減するエンジンだ。圧縮比は9.5で最高出力276psを発生し、一方でトルクカーブはフラットで、最大トルク400Nmを3000~4500rpmにわたって生み出し、中低速での強力な瞬発力を備えている。

この高出力に耐えるようにピストンはクーリングチャンネル式を採用している。ツインスクロール・ターボチャージャーは、ターボラグを感じさせずに幅広い回転域で強力なトルクを発生し、大排気量の自然吸気エンジンのような鋭いスロットル・レスポンスを備えている。なおこのエンジンはバランスシャフトを装備している。

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2011 Ecotec 2.0L I-4 VVT DI Turbo (LHU) Combustion Chamber2011 Ecotec 2.0L I-4 VVT DI Turbo (LHU)2011 Ecotec 2.0L I-4 VVT DI Turbo (LHU) Fuel Rail

トランスミッションは学習機能付きシフト・アルゴリズムを備えたマグネシウム製タップシフト式ハイドラマチック6速AT(6L45型)を採用。オートモード時にはパフォーマンス・アルゴリズムシフティングにより、ドライバーの運転パターンを学習し、最適な変速を行なう。

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ハイドラマチック6L45型。運転パターンを学習制御するパフォーマンス・アルゴリズムシフティングを採用

またドライバー支援システムとして新型CTSのCTSエレガンスにはオートマチック・パーキングアシスト、セーフティアラート・ドライバーシート(警報のためシートサイド部が振動する)、フォワードコリジョンアラート、車線逸脱警報、リヤビューカメラが標準装備される。

新型キャデラックCTS 装備・諸元表

CTS価格表

 

キャデラック・ジャパン公式サイト
GMジャパン公式サイト

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