【トヨタ】新型クラウン 14代目へフルモデルチェンジ ワタシのクラウン誕生

1955年の誕生以来、「日本人の頭と腕で世界一のクルマを創る」ことを目標に開発され続けたクラウンの14代目となる新型がデビューした。

豊田章男社長

新型クラウン ロイヤル

14代目クラウンは「日本のお客様を第一に考え、使いやすく親しみやすいクルマ」を目標に開発され、クラウンの原点に立ち返り、本当にクラウンとして必要なもの、本質を基本とし、そのうえで現代に求められる要件や性能を追求したモデルとして誕生した。それは現在の延長ではなく、デザイン革新、パワートレーンの革新、クラウンという存在そのものの革新で、クラウンは新しく生まれ変わったと説明している。

新型クラウンのREBORNとはクラウン開発における、ポリシー、フィロソフィは継続し、具体的な技術には革新的なものを投入し、マーケットの期待に応えるモデルとして、新たなクラウンが誕生したということで、豊田章男社長の肝いりプロジェクトとして進められている。

新型クラウン アスリート新型クラウン アスリート

モデルラインはこれまでのように、ロイヤルシリーズとアスリートシリーズに大別される。ゼロクラウン発売以来、アスリートばかりに注目が集まり、ロイヤルの存在が薄くなっていたので、新型クラウンではロイヤルの復権にも力が入れられている。だから、クラウンの代名詞でもあるロイヤルシリーズは「やがて時代のスタンダードになっていく、革新的でかつ心と知にひびくデザイン」を目指し開発されている。またアスリートシリーズはこれまでどおり、高級かつ走りをイメージさせ、ロイヤルシリーズとの差別化を図っている。

新型クラウンのパッケージは全長、全幅が拡大されている。4895mm(+25mm)×1800mm(+5mm)×1460mm(-10mm)、アスリート全高1450mm(-20mm)でホイールベースは2850mmで変更なし。全長、全幅の拡大と車高を下げたことで、低く構えたスタイリングを目指したスタイリングに変わっている。

新型クラウン ロイヤル

エクステリアでは、派手すぎずおとなしすぎずという要件が求められるクラウンだが、グリルそのものを王冠に見立て、フロントマスク全体でクラウンらしさを表現している。ヘッドランプにはランプ中央から外側に向けて駆け上がるライン発光(LED)によって個性的な表情になっている。リヤビューではトレッドを10mm拡大したことによるタイヤの張り出し強め、踏ん張り感のあるデザインになっている。また、先代と比較し-10mm車高を下げ、水平で低重心な基本骨格をしており、安定感を増したサイドビューとなっている。

新型クラウン ロイヤル新型クラウン ロイヤル

アスリートのエクステリアは高級感と走りをイメージさせ、ロイヤルシリーズとの差別化を強化したデザインとなっている。王冠をモチーフにしたグリル形状は共通するが、ラジエターとブレーキ用の冷却ダクトを設け、フォーマルさを持ちながらスポーツモデルとしての機能性を感じさせる造形になっている。ヘッドランプもアスリート専用デザインとし、スモーク塗装を施し、グリル側にシャープなエッジを持たせ鋭い目つきの意匠としている。また、ロイヤルシリーズよりさらに-10mm車高が下げられ、先代モデル比-20mmは走りのよさをイメージさせるに十分な変更である。リヤビューは整流効果を持つロアガーニッシュとリヤバンパースポイラーを装備し、ここでも走りをイメージさせている。そしてテールランプはアスリートの象徴デザインである丸形ランプで構成し、アスリートのアイデンティティを継承している。

新型クラウン ロイヤル インテリア

一方インテリアには細かな要求の多いモデルのため、細部に渡り革新と挑戦、継続といったコンセプトを持って造りこまれている。特に、日本の美意識にある「包む」「重なり」「表と裏」の表現方法を用いた造形や手工芸的な趣を感じさせる質感表現を使っている。

新型クラウン ロイヤル インテリア新型クラウン ロイヤル EVモード

インストルメントパネルは上段、中段、下段の三層を重ね合わせるように構成し、奥行きと広がりを感じ支えながら重厚な佇まいを演出している。センタークラスターもソフトパッドで包み、高級かつモダンな空間を表現している。ロイヤルシリーズには木目調パネルに茶木目(金糸柄入り)を採用し、優雅さ、華やかさを演出。一方、アスリートには黒木目(幾何学柄入り)を採用し、木目柄にカーボン調の緻密な幾何学柄を幾重にも重ねスポーティなインテリアを演出している。

センタークラスター下段に5インチTFTタッチディスプレイを用いた「トヨタマルチオペレーションタッチ」を採用。上段のナビと下段のタッチ画面が一体化されたデザインとして先進的なイメージを与えている。

新型クラウン

全長、全幅の拡大、車高を下げていることにともないドライビングポジションも、ヒップポイントが10mm下がっている。これに伴い、ステアリング角度を立て、ペダル踏面角も変更し理想的なドライビングポジションを追求している。また、近年のキャビンフォワードの流行とは逆にAピラーの付け根を120mm後退させ、前方視界を大幅に拡大している。特に斜め前方の視界は拡大され、カーブ、歩行者などの確認がしやすくなった。

また、全席のシートバック形状を工夫し、後席膝周りのスペースを約20mm拡大でき、ゆとりある居住スペースになっている。ラゲッジでは、ハイブリッド車、ガソリン車ともに拡大され、ハイブリッド車は従来比+86Lとなる450L、ガソリン車は従来比+23Lとなる552Lを確保している。

4気筒+ハイブリッドを搭載

搭載するパワーコンポーネンツは2.5Lのハイブリッド、V6型3.5L、V6型2.5Lの3種類。ハイブリッドモデルは新開発の直列4気筒2.5Lエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、ロイヤル、アスリートの両方に設定している。JC08モードは23.2km/Lで3.0Lクラスを上回る加速性能をもっている。2AR-FSEの出力は178ps/221Nmでモーター出力は105Kw(143ps)/300Nmとなっている。

V型6気筒3.5Lエンジンはアスリートに搭載され、トランスミッションは8速ATが組み合わされ、クラウン初となるパドルシフトを装備する。2GR-FSEの出力は315ps/6400rpm、377Nm/4800rpm 、燃費は9.6km/Lとなっている。

V型6気筒2.5Lエンジンはロイヤル、アスリートの両方に搭載され、6速ATを組み合わせ、レギュラーガソリン仕様の設定をしている。燃費はロイヤル、アスリートともにFRモデルで11.4km/L。4GR-FSEの出力は203ps/6400rpm、243Nm/4800rpm となっている。

新型クラウン 操縦安定性におおきく影響するボディ剛性では、センターピラーやルーフサイドレールに超高張力鋼板を採用するなど、ボディ骨格全体の約43%に高張力鋼板をし、軽量かつ剛性の高いボディとしている。また、溶接部ではレーザー溶接、スポット溶接打点部の増大など行い、結合剛性をあげリヤのグリップ感を向上させたり、乗り心地の質感向上、車両応答性向上などが図られている。

クラウンの特長のひとつでもある静粛性においては、エンジンノイズ侵入を抑えるフェンダーシールの採用など徹底したシール構造によってキャビンに入る音を抑制している。また、細部にわたる外形デザインの最適化によって、風切り音の低減も図られている。

新型クラウン フロントサスペンション新型クラウン リヤサスペンション

サスペンションはフロントが従来と同じくダブルウイッシュボーンで、リヤも従来と同じくマルチリンクサスペンションとしている。形状の大きな変更はないものの、細部に渡り設計の見直し、セッティングの変更が行われ、車両安定性の向上、しなやかな乗り心地を実現している。また、アスリートにはAVS(Adaptive Variable Suspension system)が設定され、4輪が連動して制振する制御を新採用し、一段とフラットな乗り心地を得ている。

新型クラウン 

ドライビングサポート技術としてトヨタブランドとして初採用となるAHS(Adaptive hi-beam system)を装備した。レクサスLSに採用されているが、夜間の優れた視認性を実現するシステムで、通常走行でもハイビームを使用し、対向車や先行車がまぶしくないように、自動的に遮光するシステムで夜間の安全運転サポートをする機能である。

同じくドライバーサポート技術として、トヨタブランド初採用のインテリジェントクリアランスソナーとドライブスタートコントロールを装備した。ともに、アクセルとブレーキの踏み間違いをした際、またはアクセルが踏み込まれた状態で通常と異なる操作をした場合に、エンジン、モーター出力を抑え、ブレーキをかけ接触を緩和させる機能である。

もちろん、プリクラッシュセーフティも装備し、ミリ波レーダーで検知し、衝突する可能性が高いと判断した場合には警報、ブレーキ制御が働き、衝突を回避、あるいは被害軽減する。さらに、ハイブリッド全車にポップアップフードを新採用し、歩行者との衝突を検した際、フード後方を自動的に持ち上げ、フード下の空間を拡げることで歩行者の頭部への衝撃を緩和する。

こうして最新のテクノロジーを盛り込み、生まれ変わった新型クラウンの実際の走りはどうなのか?試乗レポートを待ちたい。

< トヨタ クラウン ロイヤルシリーズ >

トヨタ クラウン ロイヤルシリーズ 価格表

トヨタ クラウン ロイヤルシリーズ 3面図

トヨタ クラウン ロイヤルシリーズ 主要諸元表

トヨタ クラウン ロイヤルシリーズ 公式サイト

< トヨタ クラウン アスリートシリーズ >

トヨタ クラウン アスリートシリーズ 価格表

トヨタ クラウン アスリートシリーズ 3面図

トヨタ クラウン アスリートシリーズ 主要諸元表

トヨタ クラウン アスリートシリーズ 公式サイト

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