【トヨタ】国際EVシンポジウムで発表されたRAV4 EVの本気度

トヨタRAV4 EVの画像
テスラとの共同開発で実現したRAV4 EV

アメリカ・トヨタ(TMS)は2012年5月7日、ロサンゼルスで開催中の第26回・国際電気自動車シンポジウム(EVS 26)で、テスラモーターズと共同開発した電気自動車「RAV4 EV」を発表した。

「RAV4 EV」は、クロスオーバーSUVのRAV4をベースにテスラのEVシステムを搭載し、約100 マイル(約160km)の走行可能距離を達成したとしている。希望小売価格は4万9800USドルを予定しており、2012年夏以降にカリフォルニア州で発売し、3年間で約2600台を販売する計画という。なおベース車のRAV4はアメリカでは2万2000〜2万5000USドルで販売されており、EV仕様との価格差は約2万5000USドルということになる。

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トヨタとテスラは2010年5月に電気自動車とその部品の開発、生産システム、生産技術に関する業務提携を行うことで基本合意している。その結果、トヨタの北米における研究開発・製造統括会社のトヨタ・モーター・エンジニアリング・アンド・マニュファクチャリング・ノースアメリカ(TEMA)と、トヨタ、テスラそれぞれの技術陣が共同で車両開発にあたり、2010 年11月のロサンゼルスショーに試作車を出展している。提携発表から2年で共同開発の車両を市販することになった。この市販するRAV4 EVは、カナダのオンタリオ州ウッドストックのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダ(TMMC)で生産される。

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RAV4 ?EVはテスラのリチウムイオン電池パックを使用しており、電池容量は41.8kWhで、同様にリチウムイオン電池を搭載するプラグイン・プリウスの9.5倍の容量を持っている。アメリカでの走行モードでは約160kmの航続距離を持つという。また充電は従来のテスラ同様に夜間の家庭用電源(ただし通常の120Vではなく単相3線・240V)を使用し、満充電まで約6時間とされ、急速充電器には対応していない。

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なお第26回・国際電気自動車シンポジウムには、日産リーフ、三菱i-MiEV、トヨタのプリウスPHV、ホンダ・フィットEV、シボレー・ボルト、フォード・フュージョンEV、メルセデスFCV(旧型Bクラス)、BMWアクティブE、中国のBYDなどEVや燃料電池車、PHVなどがずらりと顔を揃え、さらに家庭用充電システム、直流急速充電システム、駐車場用の充電システム、家庭用太陽光充電システム、電動バイクなどが出展されていた。

また多くのフォーラムが開催されており、中でも大きな話題のひとつが、ヨーロッパのドイツ自動車メーカー、ACEA(欧州自動車工業会)とアメリカのGM、フォード、クライスラー、アメリカ自動車技術会が合意した充電規格、ユニバーサルEVコンバインド充電システム(CCS)の展示も行われた。

CCSは電源と車両側の通信に電力線高速搬送通信(PLC)を使用(日本のCHAdeMO規格ではCANを使用)すること、急速充電ポートと多様な電圧の家庭用電源ポートを統合したポートで、急速充電のみに対応したCHAdeMO規格とは大きく発想が異なっているのが特徴だ。

トヨタ・アメリカ公式サイト

EVS 26

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