【トヨタ】プリウス値上げ幅の不思議の理由は、2台のライバルにあり!?

新型プリウスの画像
↑写真のG“ツーリングセレクション・レザーパッケージ”は新色のボルドーマイカメタリック

2011年12月19日から、トヨタはプリウスをマイナーチェンジして発売している。今回は内外装を変更したほか、ボディ剛性も強化。静粛性や乗り心地を高めると同時に、操縦性や走行安定性を向上させている。またスポーツコンバージョン車「S“ツーリングセレクション・G’s(ジーズ)”」を新たに設定し、同じく26日から発売している。

まず最初にエクステリアでは、フロントバンパー/フロントグリル/アンダーグリル/リヤコンビネーションランプ/15インチホイールキャップなどの意匠を変更。Lグレードを除く全車でディスチャージヘッドランプを新たに装備し、クリアランスランプをLEDに変更している。ボディカラーは新設定のボルドーマイカメタリック/フロスティーグリーンマイカメタリック/ライトパープルマイカメタリックを含む全8色とした。

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↑Gに新設定されたブラック&ブラウンの内装色

次にインテリアでは、シフトノブまわりやステアリングスイッチベースを高輝度シルバー塗装として質感を向上。シートカラーには新たにブルー&ブラック(Sと同“ツーリングセレクション”)、ブラウン&ブラック(Gと同“ツーリングセレクション”)のツートーンカラーをメーカーオプションで設定した。また、コンソールボックスのカップホルダーをオープン収納型として利便性を向上させている。

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↑こちらはSグレード系に設定されたブラック&ブルーの内装

さらに車両接近通報装置を全車標準装備としたほか、Gと同“ツーリングセレクション”のフロントドアガラスにスーパーUVカットガラスを新たに採用。またメーカーオプションのナビゲーションを、ITS技術を活用して安全ドライブをサポートするDSSS内蔵のモデルとしたほか、JBLプレミアムサウンドシステムを採用したモデルも設定している。

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今回のプリウスのマイナーチェンジでは、値上げの額とグレード間による差が大きいこともニュースだ。エントリーモデルのLとSは12万円(消費税込み、以下同)も上がったが、G“ツーリングセレクション”は2万円の値上げにとどまり、その他の3グレードは7万円のアップとなっている。このマイナーチェンジが発表された11月29日のプリウスPHV(プラグイン)の発表会では、「レアアースなど原材料の高騰も値上げの理由のひとつ」と国内販売のトップがコメントしたが、それ以外の要因もあることは確実だ。

まず最初にエントリーグレードのLだが、これは現行3代目プリウスのデビュー当時の事情が反映された戦略的な価格を、今になって適正な水準に戻したとも言えよう。もちろん当時の事情とは、先行していたホンダの2代目インサイトに対抗するためである。またなぜ、このタイミングで戻さなければいけないかについては、プリウスにとって弟分にあたるアクアが12月26日にデビューを飾ったからだ。プリウスとアクアの価格分布において、プリウスのLだけがバランスを欠く設定になることを避けたと思われる。

いずれにしても、プリウスでもアクアでもこの「L」は、価格訴求の意味合いが強い少し特殊なグレードだ。一般のユーザーが選択する可能性はかなり低く、法人向けを除けばセールスの現場への影響は小さいと思われる。

続いてSと同“ツーリングセレクション”についてだが、前者には今回からディスチャージヘッドランプが標準となったことで事実上は8万円程度のアップとなっている。つまり、Sグレードについては、約7?8万円の値上げと考えてよさそうだ。

逆に上級のGグレードでは、装備の向上で実際には値下げに等しいモデルも存在している。とくにGはディスチャージヘッドランプに加えて雨滴感知式のオートワイパー、スーパーUVカットガラスなど、10万円を超える装備の充実ぶりを考えると、お得感が今回は一番強い。また最上級のレザーパッケージも、標準装備のカーナビのグレードアップで値上がり分がほぼ相殺されていると言える。

S“ツーリングセレクション・G's”の画像

また今回は、トヨタが自ら開発するスポーツコンバージョン車シリーズの第3弾として、「CONTROL AS YOU LIKE?意のままに操る喜びを? 」をコンセプトとした“G SPORTS(通称G’s)”を新たにプリウスにも設定した。このG’sとは、より幅広いユーザーに「走りの味」や「クルマの楽しさ」を提供するために、GAZOO Racingのテストドライバーがトータルチューニングを施し、「意のままに操れる」ハンドリング性能を実現するとともに、架装工程のインライン化などにより、求めやすい価格設定としたシリーズだ。

今回設定された「S“ツーリングセレクション・G’s”」は、S“ツーリングセレクション”をベースに、安定性向上による安心感・車格感のグレードアップと、操舵フィーリングと挙動の一体感にこだわったチューニングを施している。具体的にはスプリングやショックアブソーバーを専用にチューニング。またメンバーブレースの採用やスポット溶接打点の追加により、ベース車からボディ剛性をさらに向上。さらに高剛性かつ軽量の専用18インチアルミホイールと高性能タイヤを採用することで、ハイブリッド車のイメージを一新するスポーティな走りを実現したとしている。

エクステリアでは精悍さとスポーティさを表現した専用デザインのバンパー(フロント&リヤ)や大径マフラーを採用するとともに、“G’s”エンブレムをフロントフェンダーとバックドアに装着。またフロントLEDイルミネーションビームやブラック加飾のヘッドランプ&リヤコンビネーションランプなどにより、躍動感と知的さの表現を目指している。

S“ツーリングセレクション・G's”の画像S“ツーリングセレクション・G's”の画像

一方でインテリアにおいてもロゴ入り専用シート表皮やレッドステッチを施したステアリングホイールを採用したほか、カーボン調加飾のインストルメントパネル&ドアトリムや、アルミ製のアクセル&ブレーキペダルなどにより、上質な中にも走る気持ちを高揚させる室内空間を創出したとしている。希望小売価格は284.0万円。

 

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