マニアック評価vol15
2011年末の発売を目指すFRスポーツクーペ、トヨタFT86はそろそろ開発に拍車がかかる時期になってきた。
FT86の開発は豊田章男社長の肝入りで発足したトヨタのスポーツ車両統括部(掌管:伊勢清貴常務、部長:高橋敬三)が担当する。つまり通常の量産モデルとは別の組織で、マニアックに開発するという初の試みである。
そしてFT86はスバルに開発委託を行うとともに、プラットフォームやパワーユニットはスバル製を採用する。スバルのプラットフォーム(SIシャシー)はフレキシブルタイプで、もともとは4WD用のため、プラットフォームフロント部を手直し、リヤセクションを補強するだけでFRモデル化は難しくない。
エンジンは水平対向4気筒2.0Lで、NA版とターボ版がある。NAは200ps、ターボは260psと予想される。トランスミッションは6速MT。
FR駆動であることは内外で周知の事実だが、海外Webメディアでは「コストカットのため4WDではなくFRとした」と受け取られているのが面白い。つまりトヨタのいうFRスポーツクーペ復活、FRこそスポーツだという主張は受け入れられていない。
開発チームとしては、すでに2009年に既存ユニットを利用した先行試作車でニュルブルクリンクを走り、トヨタのテストドライバーがステアリングを握っている。これはFRポテンシャルの確認、問題点の洗い出しといったテーマであった。その後、プラットフォームの設定を行い、量産仕様でのテストが開始さている。
今回のスパイ画像はアメリカのデスバレーで撮影されたもので、高気温耐久・信頼性の実験である。このテストはスバルが担当しており、持ち込んだモデルはターボ仕様。インタークーラーはラジエーター前面にある。
↑スパイ画像は上記のサイトに掲載中
アッパーボディは、インプレッサのものを継ぎはぎしたダミーであることはいうまでもない。今秋にはダミーのアッパーボディのままでニュルブルクリンクでのテスト走行を開始するはずである。恐らく来春には量産ボディを身にまとった試作車が完成し、ニュルブルクリンクを始め、テストコースでの熟成も開始されると予想できる。