スズキ ソリオ ハイブリッド試乗記 エコを全面にスペースと取り回しの良さが魅力

マニアック評価vol493

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ソリオ バンディット ハイブリッドSV

2015年8月にフルモデルチェンジをしたスズキのAセグメントのハイトワゴン、ソリオ/ソリオバンディットに、ストロングハイブリッドが機種追加され、早速試乗してみた。<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>

ラインアップとしては従来からのマイルドハイブリッドも継続販売されるので、ストロングハイブリッドの2本立てとなる。狙いは、もちろん省燃費で、マイルドハイブリッドがJC08モード燃費で27.8km/Lに対し、今度のストロングハイブリッドは32.0km/LのコンパクトハイトワゴゴンNO1の低燃費としている。全車免税対象だ。

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■ポジショニングとパッケージ

ソリオはAセグメントのハイトワゴンで、最近までソリオの独断市場だった。スズキは2011年にソリオを発売しているが、需要の掘り起こしに成功し2016年10月末で累計20万台の販売台数を記録するモデルに成長している。

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ところが、その市場が活性的であることを各社が見逃すはずもなく、ダイハツ、トヨタ、スバルがそれぞれモデル投入を行ない、ユーザーとしては選択肢が広がったわけだ。だが、スズキによれば、「ユーザーニーズは省燃費でありながらハイトワゴンの室内空間の大きさ、そして1625mmという全幅」により、創出したマーケットだとみている。

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K12C型1.2Lエンジン。91ps/118Nm

ダイハツをはじめ、ライバルモデルは3気筒1.0Lターボで全幅も1670mmというサイズで市場投入している。このわずかなボディサイズがユーザーにとってどのような差として感じるのか興味深い。ソリオは従来どおり、全長3710mm×全幅1625mm×全高1745mm、ホイールベース2480mmだ。

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そしてこのモデル追加の狙いは、従来のソリオの魅力をそのままに、より低燃費でEV走行が可能なモデルということでハイブリッドが追加されたわけだ。

■ハイブリッドシステム

今回追加されたストロングハイブリッドモデルのエンジンは従来のK12C型で、これにMGU(駆動モーター)を組み込んだトランスミッションを組み合わせている。そのミッションはシングルクラッチの5速AGS(オートギヤシフト)。レイアウトとしてはエンジン⇒クラッチ⇒AGS⇒MGUという駆動伝達になる。

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AGSとMGUは一体型でクラッチは装着されておらず、モーター駆動の時はギヤはニュートラルとなる設定だ。また駆動用リチウムイオンバッテリーは100Vで440whの容量で小さい。

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MGU(左)と助手席床面にあるリチウムイオン・バッテリー

また駆動モーターも発電機能付きだが、出力としては10kW/30Nmというこちらも出力の小さいモーターが組み合わされている。モードとしてはエコモードと標準モードの2つのモードが設定されている。

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従って、EV走行ができる領域もそれほど大きくなく、エコモードを選択すると発進時にEV走行するが、アクセルを踏み込めばエンジンがかかるという具合だ。また、フル加速などの時はエンジンパワーにプラスしてモーター駆動力も加わる。エンジンはマイルドハイブッリッドとおなじ91ps/118Nmという出力になる。

また、EV走行の範囲も60km/h以下でEV走行する。またエネルギー回生は80km/h以下でアクセルをオフにすると回生し、その際エンジンも停止する。つまり、燃料噴射されず空気ポンプ状態で回転しているわけだ。

■試乗インプレッション

試乗コースはやや標高の高いエリアで一般道、峠道、高速道路というシチュエーションが走れた。

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エコモードは発進時、クリープからの走り出しであればEV走行する。標準モードの時はブレーキペダルから足を離した瞬間にアイドリングストップ機能は解除され、エンジンがかかる。そして、ペダルを踏み込み加速させるとAGSの特徴であるシフトアップを、意図的にさせる必要があるが、駆動モーターを使うことでトルコンATと同様にペダルを踏みっぱなしでも問題ない。

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つまり、シフトアップの際ペダルを踏みっぱなしにすると一瞬の失速感が起きる。それはクラッチを自動で切って、ギヤを変え、再びクラッチをつなぐという動きがあるためで、クラッチが切られた瞬間ペダルを踏んでいるのに加速をしない瞬間があるからだ。だが、このハイブッリッドはそのクラッチが切られ変速しているときに駆動モーターが駆動を続けるので、その失速感が少ないというわけなのだ。

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だからドライバーはATの2ペダルと同じようにアクセルペダルを操作しても、問題なく走行できる。とは言え、アクセルを全開で踏んでいるような時はエンジン出力もピークであり、モーターはわずか10kWの出力だから、そこではやや失速感を味わう。その場合は通常のシングルクラッチと同様、一旦アクセルを抜く動きをすれば、妙な減速感を味わうことはない。

ちなみにCVTを搭載しているモデルにストロングハイブリッドはなく、従来のEV走行のできないマイルドハイブリッドタイプのモデルだけになる。

AGSを選択した理由としては、まず小型軽量という質量の問題があり、ハイブリッド化しても1000kgを切る軽さをキープしている。そしてMTに引けを取らないダイレクト感がある、という理由を挙げていた。シングルクラッチのネガと言われる変速時の失速感はこのモーター駆動により改善されているので、ドラビリとしてはAGSの選択が正解だと思う。

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高速道路での追い越し加速で全開にペダルを踏むと、キックダウンして加速する。身体をシートに押し付けられる感触があり、そこそこの力強さの加速フィールだ。非力な印象はなく不満はないだろう。

■エクステリア、インテリア

内外装はエコを意識したデザインで、エクステリアではフロントグリルのスケルトン部にブルーメッキを採用。リヤコンビネーションランプとバックランプレンズにブルークリアタイプを採用している。また、左右のフェンダーとバックドアに「Hybrid」のエンブレムが装着されている。

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インテリアはブルーメタリック塗装のアッパーガーニッシュやブルーを基調としたメーター、MGU(駆動モーター)の作動状態を表示するモーターパワーメーターを装備している。

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ソリオ/ソリオバンディットはエコを意識したモデルで、ユーザーには省燃費と車内スペース、そして取り回しの良さをアピールするモデルだ。今回のストロングハイブリッドの追加でもそのスタンスは変わらず、EV走行ができるエコプログラムを強調したモデルなのだ。

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