2016年1月21日に発表され、2月28日から発売となるスズキ イグニス。イグニスという車名は日本では初登場だが、実はスズキは過去にもこの車名を使用している。2000年に発売された初代スイフトの海外での車名はイグニスだったのだ。
初代スイフトはクロスオーバー的なデザインも取り入れたコンパクトMPVといったイメージだった。しかし、スイフトの2代目はガラリとイメージを変え、スポーティでコンパクトなハッチバックとなっている。今回登場したイグニスはAセグメントのクロスオーバーであることを再定義し、同時にデザイン面でも最新のスズキ・デザインを盛り込んだクロスオーバーとしている。
新型イグニスは、スズキにとってはグローバル戦略車で、ヨーロッパ、インド、中国、オーストラリアなどで販売される計画だ。日本では、Aセグメントのクロスオーバーはこの新型イグニスが初となるが、海外ではフィアット・パンダ4WD、クロスup!などがライバルとなるが、グローバルでのマーケットの規模を考えると新型イグニスの投入はよいタイミングといえる。
スズキとしては、Aセグメントに、ソリオ、イグニス、スイフトという3機種をラインアップし、このセグメントにおけるリーダーとなっている。またグローバルで見ると、CセグメントのSX4 Sクロス、Bセグメント+のエスクード、そしてこのAセグメントの新型イグニスと、クロスオーバーでのラインアップも充実させている。
スズキの新中期経営計画(NEXT100)は、軽自動車からCセグメントまでの商品、特にSUV/クロスオーバーに商品を集中し、拡大する世界の小型車市場に対応グローバルでの競争力を高める、そのために今後5年間で20モデルの新型車を全世界に投入。そして国内では小型車の販売台数を10万台以上を狙うとしているが、新型イグニスはその中で最も重要な車種と位置付けられるわけだ。
そのため、新型イグニスにはスズキの最新デザインとテクノロジーが投入され、日本車のAセグメントはもちろん、Cセグメント・クラスを凌駕するほどの商品力を備えているのだ。
安全/運転支援システムでは、歩行者も検知できるデュアルカメラサポートを備え、燃費性能のために、熱効率でトップレベルのデュアルジェット・エンジン、K12C型を搭載。さらにインテグレーテッド・スターター&ジェネレーター(ISG)とリチウムイオン・バッテリーを組み合わせたハイブリッドシステムの装備など、より高価なCセグメントのクルマを上回る装備にしている。
エンジンはアトキンソンサイクルなど高膨張比方式ではなく、燃焼効率を高め、燃費とトルクを両立させている。さらにマイルドハイブリッドをアドオンすることで燃費性能と動力性能を高めている。
また基盤となるプラットフォームも最新のAプラットフォームを使用し、高張力鋼板は国産車の中でもトップレベルの50.1%という割合で駆使することで、850kg~920kgという軽量な車両重量を達成している。FFのフォルクスワーゲン up!が900kgであることを考えると、FFのイグニスの850kgという車重は驚異的といえるのだ。
さらに生産技術面でも大きな進化を遂げている。最新のデザインを生かすためにボディのプレス技術に磨きをかけ、プレミアムカーに迫る立体感の表現や鋭角的な処理を実現している。これは、高張力鋼板の大幅な採用と合わせ、生産現場の技術のアップグレードなしには実現できない部分であるが、それをやり遂げているのだ。
実際の車両を目にすれば、きっと読者のみなさんも感じると思う。プレス加工した際のエッジのたちかたや組み立てた際に、エッジのツライチ具合など全体的にシャキッとシャープに感じると思う。
スズキのグローバル戦略車、新型イグニスに注目だ
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