2015年6月3日、スズキは、軽量、コンパクトな2気筒800㏄の小型車向け「E08A型」ディーゼルエンジンを開発し、インド子会社のマルチ・スズキ・インディア社が生産・販売する小型車「セレリオ」に搭載しインド国内向けに発売すると発表した。
スズキはこれまでフィアットからの供給やライセンス生産によって1.3~2.0Lのディーゼルエンジンを海外向けのモデルに搭載してきた。しかしインド市場でのディーゼルエンジン仕様車の高い需要に対応するため2気筒800㏄のE08A型ディーゼルエンジンを自社開発。その概要は2014年4月に開かれた先進技術発表会で公表されている。
E08A型ディーゼルエンジンは、シリンダーブロックにアルミニウムを採用し、コンパクトな2気筒エンジンに適した小型の燃料供給システム「フュエルデリバリーブロック(FDB)」とターボチャージャーを搭載することで軽量化を実現。直噴システムは145MPaのマルチ噴射式ソレノイドインジェクターを装備している。15.1という低圧縮比化、大型インタークーラーの採用などにより、低回転域での高トルクと燃費性能を両立した。
フライホイールを最適化することで2気筒ディーゼルエンジン特有の低周波振動を軽減している。「セレリオ」への搭載にあたり、エンジンの取り付け方法や車体剛性の最適化、吸音材の追加等を行いエンジンから伝わる低周波振動や燃焼音を軽減し、快適性を高めている。このエンジンを搭載した「セレリオ」は、インドでトップの燃費性能となる27.62km/L(インド国内燃費モード)を達成している。