スズキ、LOMBY、セブン-イレブン・ジャパンは2025年5月19日、東京都八王子市の南大沢エリアで、セブン-イレブンの商品お届けサービス「7NOW」で、注文した商品を屋外型自動走行ロボット「LOMBY」で配送する実証実験を開始した。

この実証実験では配送先地点を指定せず、対象のセブンイレブン2店舗を中心とした南大沢エリア全域の個人宅(集合住宅の場合はエントランス周辺)まで配送するため、国内の屋外ロボット配送における配送可能エリアと対象戸数は最大規模となる。

この実験は、少子高齢化や将来的な配送員不足などのさまざまな社会課題を背景に、買い物が難しいエリアにおける解決方法の1つとして、自動走行が可能なロボットによる配送を検討するものだ。

有効な手段として今後の実用化も見据え、
①セブン-イレブン店舗の約3000アイテムを配送できる実サービスである「7NOW」との連携
②信号や横断歩道等も自動認識して配送できる点
③スズキの電動車いすをベースとした台車(電動モビリティベースユニット)を活用した安全安心な走行、が特徴となっている。
南大沢エリアは丘陵地の多摩ニュータウンに位置するため階段や坂道が多く、また、入居開始から40年以上が経過して高齢化が進んでいる。そこで、実証実験の実施にあたって協力している南大沢スマートシティ協議会とも連携しながら、地域の人々の利便性向上と、買い物に伴う移動時の負担軽減を実現することになる。
LOMBY 公式サイト:https://lomby.jp/
LOMBYは2022年4月に設立された自動配送ロボットの開発・提供・サービス運用を手掛けるスタートアップ企業で、配送ラストマイル領域の課題解決に取り組んでいる。
2022年からLOMBYとスズキは、スズキの電動車いすの技術を活用した、自動配送ロボットの可能性の検討を開始し、2023年に共同開発契約を締結。スズキは電動モビリティベースユニットの設計・開発を担当し、LOMBYは自動配送ロボットの試作、配送システムの開発、実証実験等を行なっている。
なお、LOMBYの研究開発はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業で、「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」の支援を受けて開発を進めている。また、都内での検証では東京都スタートアップ社会実装促進事業(PoC Ground Tokyo)として運用コストの検証も進めている。