スズキ、新たな不正発覚 燃費及び排出ガスの抜取検査に関する再調査

スズキは2018年9月26日、燃費及び排出ガスの抜取検査に関し、2018年8月8日付け報告書の提出後に行われた国土交通省による立入検査での指摘事項を踏まえて、さらなる社内調査を行っている過程で、新たな不正の事実が判明。これを公表するとともに国土交通省に報告された。
 
スズキは国土交通省からの確認指示を受け、燃費及び排出ガスの抜取検査に関し、規定の走行モードに合わせられず車速が規定の範囲から逸脱し、その逸脱時間が許容範囲を超えた(「トレースエラー」した)ため本来無効とすべき試験結果を有効なものとして処理した事案があることが判明したため、2018年8月8日に国土交通省に報告書(以下「8月8日付け報告書」)を提出し、その内容を公表していた。
※関連記事:スズキ、燃費・排出ガスの抜取検査結果で約6,400台に不正 対象車両の約50%

その後、国土交通省による立入検査での指摘事項を踏まえて、行われた社内調査の過程で、新たな事実が判明。現時点でスズキが把握している内容が公表された。
 

1.四輪車のトレースエラー事案の件数の増加について

8月8日の報告後に行われた国土交通省による立入検査での指摘を踏まえ、調査期間外において新たに見つかったデータなどの追加を行ったところ、全調査期間における3工場のトレースエラーの合計は、6,401台から6,883台に増加(+482台)となった。

●表1 全調査期間におけるトレースエラー台数等
スズキ、燃費及び排出ガスの抜取検査に関する再調査の報告
また、トレースエラーの調査対象車種は、以下の32車種であり、このうち括弧書きで示した湖西工場のジムニーシエラを除く31車種にトレースエラーがあった。

スズキ、燃費及び排出ガスの抜取検査に関する再調査の報告
※磐田工場の調査対象期間の追加により、旧キャリイ及び旧エブリイが調査対象車種に加わった。

2.四輪車のトレースエラー事案に係る検査員からの新たな証言について

トレースエラー試験を有効なものとして処理していた事案について、国土交通省による立入検査時に8月8日付の報告書に記載されていない新たなトレースエラーの原因を挙げた検査員がおり、改めて当該検査員に聞き取り調査が行われている。
 

3.四輪車に関し測定結果の書き換え事案があったことについて

8月8日の報告において、過去1年分のデータを調べて書き換えは無いと報告されていた。しかし、その後の国土交通省による立入検査での指摘を踏まえ、残されたすべての測定データについて調査したところ、測定毎の平均値が測定毎の最大値と最小値の範囲から外れたものがあることが判明した。
●図:四輪車の検査データの管理状況
スズキ、燃費及び排出ガスの抜取検査に関する再調査の報告

4.二輪車の排ガスデータ及び走行データが一部存在していたことについて

8月8日付けの報告書では、二輪車の測定装置にはトレースエラー等のデータが残されていない旨が報告されていた。しかし、その後、国土交通省による立入検査での指摘を踏まえ、測定装置メーカーに確認したところ、検査成績書ファイルと走行データの一部が測定装置のハードディスクの中に残っていることが判明。
 
8月8日付けの報告書の時点で把握できなかった事実が、多々判明しており、スズキの調査が不十分であったと言わざるを得ない状況である。
スズキは、この事態を深く反省するとともに、今回の事案だけでなく、完成検査業務全般について、社外の専門家により、客観性・中立性を確保した上で、徹底的な調査・検証を行い、再発防止策の構築を図る、としている。
 
燃費及び排出ガスの抜取検査に関する再調査の報告(スズキ/PDF)

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