スズキは2018年8月9日、燃費及び排出ガスの抜取検査に関し検査成績書や測定装置に残されているデータについて、本来無効とすべき試験結果を、有効なものとして処理した事案があることを発表した。
スズキは、2018年7月9日付けの国土交通省からの確認指示を受け、燃費及び排出ガスの抜取検査に関し検査成績書や測定装置に残されているデータについて、関係者へのヒアリングを含め調査をしたところ、規定の走行モードに合わせられず車速が規定の範囲から逸脱し、その逸脱時間が許容範囲を超えた(「トレースエラー」した)ため本来無効とすべき試験結果を、有効なものとして処理した事案があることが判明したという。
この調査によると、全調査台数12,819台中トレースエラーがあったのは6,401台(49.9%)にもなっている。
これを受け2018年8月8日、スズキは調査結果の詳細、および対策などを国土交通省に報告した。なお、四輪車のその他の検査業務の取扱い及び二輪車については、報告すべき事案はなかったとしている。
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【燃費及び排出ガスの抜取検査における不正事案に関する調査報告】
1.燃費及び排出ガスの抜取検査における不正事案の有無
・事案の有無
燃費及び排出ガスの抜取検査において、測定データ書き換え等の不正事案はなかったが、トレースエラーにより無効とすべき試験を有効なものとして処理していたものがあった。
2.調査対象工場、調査対象期間、調査方法
・調査対象工場四輪車:
湖西、相良、磐田の各工場 二輪車:豊川工場
・調査対象期間:
①四輪車のトレースエラーの調査は、排出ガス・燃費抜取検査用測定装置に残っていた以下の期間分の全データ
湖西工場:2013年10月〜2018年7月(7,963台)
相良工場:2012年6月〜2018年7月(3,060台)
磐田工場:2016年4月〜2018年7月(1,796台)
②四輪車のトレースエラー以外の項目及び二輪車の調査は3年9か月分の記録
全工場 :2014年11月〜2018年7月
・調査方法:
①四輪車のトレースエラー
排出ガス・燃費抜取検査用測定装置から取り出したデータにより規定の速度範囲からの逸脱時間をチェック。
②データ書き換えの有無
測定装置に残っているデータについて、各測定値それぞれの平均値が最大・最小値の範囲内にあるかの確認及び検査員の聞き取り調査。
③試験環境逸脱の有無
測定装置に残っているデータの確認及び検査成績書の確認。
3.調査の結果
・不正事案等の詳細:
排出ガス・燃費試験のモード走行におけるトレースエラーの判定が正しく行われず、本来無効とすべき試験が有効なものとして処理されていた事例が、試験車両12,819台中6,401台(49.9%)あった。
4.不正防止対策の実施状況
・実施状況:
①トレースエラーの再発防
各工場に排出ガス・燃費抜取検査担当の管理職が配置されていなかったことから、日々の検査業務の実態が把握出来ていなかった。このため、8月7日付けで各工場に担当管理職を配置。また、7月30日に各試験のトレースエラーを複数の検査員でチェックして判定結果を検査成績書に記載するよう作業要領を見直した。
②データの書き換え防止
8月末までに測定値の書き換えができないよう測定装置を改修します。それまでの間は、検査員は測定データの書き換えが出来ない権限でシステムにログインして業務を行うこととしている。
「燃費及び排出ガスの抜取検査の不正事案を受けた確認の実施等について」に対する国土交通省への報告について(スズキ)
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