スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従 スバルテックツアーvol.6

SUBARUテックツアーvol.6
2017年6月5日に既報のようにスバル・レヴォーグ、WRX S4が年次改良を行ない今夏、発売する。すでに公式WEB上ではその概要も紹介されていて、年次改良の最大の注目点はアイサイトver3がさらに進化したことだ。その詳細をお伝えしよう。

スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従

スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従

■進化したアクティブ・クルーズコントロール機能

ステレオカメラを使用したアイサイトver3のこれまでの機能は、プリクラッシュ自動ブレーキ、危険回避アシスト、AT誤発進抑制、AT誤後退抑制、車間距離、車線逸脱、ふらつき警報、車線中央維持、車線逸脱抑制のアシスト、全車速追従クルーズコントロール、先行車発進告知などだ。

安心・安全に使えて疲れないクルマ

今回進化したポイントは、日常で常用される全車速クルーズコントロールの機能と、ステアリング・アシストの機能だ。図のように、クルーズコントロールが設定できる最高速度が実速120km/h(メーター表示上は135km/h)までとなり、低速側では30km/hでセットできるようになっている。従来は60km/h以上でしか設定できす、最高速も114km/hだったから大きな進化といえる。

アイサイト・ツーリングアシストとは

またクルーズコントロールが設定された状態で40km/h以下にスピード落ちたり、ストップ&ゴーの渋滞が発生した場合でも、クルーズコントロール機能が途切れることなく完全追従できるようになっている。つまり渋滞などでは前走車に接近することで、車線がステレオカメラで読み取れなくなり、クルーズコントロールはキャンセルされていた。がしかし、今回は車線が検知できなくても、あるいは片側車線しか認識できない場合でもステレオカメラは前走車をロックオンして追従走行ができるようになった。

スバル アイサイト・ツーリングアシスト ハンドル制御の動作1

スバル アイサイト・ツーリングアシスト ハンドル制御の動作2

スバル アイサイト・ツーリングアシスト ハンドル制御の動作3

例えば、車線が明瞭でなく、片側車線しか検知できない時は、片側の車線と前走車を検知することで稼働。また、両側の車線が検知できない場合は、前走車の進路に自動追従する機能が備わったことで、これまでのクルーズコントロールが途切れることがなくなるというわけだ。このような状況の時、ディスプレイ上では車線の認識表示に加え、前走車をブルー枠で囲った表示になる。

スバル アイサイト・ツーリングアシスト

スバル アイサイト・ツーリングアシスト

スバル アイサイト・ツーリングアシスト

こうした機能が加わったことで従来の「アイサイトver3」という名称は「アイサイト ツーリングアシスト」に変更されている。つまり、新たなクルーズコントロール機能となったことで、日常のドライビングを安心、安全で疲れないクルマにするという意味を込めた「ツーリングアシスト」という名称になったわけだ。

スバル アイサイト・ツーリングアシスト

なお、クルーズコントロールがセットされている状態ではステアリングは自動的に車線の中央を走行し、渋滞時に車線が認識できない場合は前走車を追従するように作動する。そして、ドライバーのステアリングホイール手放しは10秒以内までは許容され、10秒を過ぎると警告音が鳴り、約20秒でクルーズコントロールは自動的にキャンセルされるようになっている。

■試乗レポート

今回は日本自動車研究所・城里テストコースの一般的な自動車専用道路に近い外周路を使用して短時間の試乗できた。試乗車は2017年夏に発売予定の新型レヴォーグだ。

スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従

最初に感じたのは、レーンキープ時のステアリング・アシストが従来より明確になり、わかりやすくなったことが感じられた。これまでのアイサイトver3の自動作動するステアリング・アシストはきわめて穏やかに作動したので、ある意味、ドライバーには分かりにくかったが、今回はしっかり操舵のトルク感が体感でき、自動ステアリングのフィーリングがダイレクトに伝わってくる。

スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従

次は、一般的なクルーズコントロールから渋滞追従に移行するシーンだ。渋滞で前走車が停止していると、当然ながら前走車の手前で自動的にブレーキを掛けてストップする。減速、停止の振る舞いはきわめて自然だ。

スバル 「アイサイトver3」がさらに進化 全車速追従機能は、渋滞時でも完全追従

また停止後からの再発進加速では、前走車に合わせた自然な発進で、違和感がない。ちなみに自動停止から3秒以内であれば、ドライバーはリジュームスイッチやアクセルを踏むなど、一切操作することなく自動で発進する。

今回の注目点である渋滞走行時のノロノロ運転では、車線が消えている状態でも確実に前走車をロックオンし、追従することが確認できた。前走車がカーブで曲がれば、こちらも自動的にステアリングが切られ、追従することができる。

ただ、気になったのは、こうしたクルーズコントロールをオンにして追従走行している場合、ドライバーはリラックスしてステアリングに軽く手を添えている状態になるのが自然だが、それではこのシステムは手放し運転と検知するようで、「ハンドルを握って下さい」という警報が表示される。そのためほんのわずかにステアリングを人為的に1〜2mm動かしてやる必要があった。

アイサイト・ツーリングアシスト 特徴

理屈的には、ステアリングのモーターにトルクが入らないと手放しだと判断するというわけで、そのしきい値が厳しすぎると感じた。もちろんこのシステムの癖を理解していれば、わずかなパルス的な操舵をすればよい、ともいえるのだが。。

今回、アイサイト・ツーリングアシストになったことで、事実上0km/hから120km/hまで途切れのないオートクルーズが可能になり、実用性は飛躍的に高まり、ロングドライブや渋滞走行時のストレスを大幅に軽減できるようになったことは大いに評価したい。

また自動で行なわれる加速、ブレーキ、ステアリングの作動は、あたかも上手なドライバーが運転しているような自然なフィーリングに作り込んである点も評価すべきだろう。

2020年 自動車線変更機能などを実現

このアイサイト・ツーリングアシストはBRZを除く全モデルに順次採用されるという。そしてスバルが描く次のステップ、2020年を目標としたドライビング支援システムは、アイサイトに加えてレーダーセンサーとGPSロケーター&デジタル地図を組み合わせることで自動車線変更機能を追加することだという。

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