2014年6月11日、スバルとSTIは日本では未公開の新型「WRX STI」をベースとして開発したレースカー「WRX STI NBRチャレンジ2014」で、6月19日~22日に開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場すると正式発表した。
スバル、STIによるニュルブルクリンク24時間耐久レースへの出場は、2008年から7年連続の出場となり、SP3Tクラスでの優勝を目指す。今回使用される新型「WRX STI」は、デトロイトショーでワールドプレミアが行われ、2015年型モデルとして発売が開始されている。アメリカ仕様は305psのEJ25型2.5Lターボを搭載している。もちろん日本では未公開だ。
そして、ニュルブルクリンク・レースで使用されるマシンのベースは新型WRX STIで右ハンドル仕様、搭載エンジンはEJ20型であり、アメリカ仕様とは異なることに注目したい。さらに今回のニュル用マシンは、スバルの開発部がかつてないほどシャシー、ボディ、エアロダイナミクスの開発に力を注いだ純然たるワークスカートして仕上がっている。特に、ボディの軽量化、剛性の大幅向上、空力性能の向上、さらに大幅な低重心化が図られている。レース仕様としてはサスペンションのストロークのアップ、シーケンシャル・トランスミッションの新採用なども注目される。
このレースカーは、富士スピードウェイで例年より早い1月23日にシェイクダウンテストを行ない、さらにその後、ニュルブルクリンクでの耐久レースシリーズ(VLN)の第2戦、第4戦に出場し、現地での細部のチューニングを行っている。
これらのテストで、従来より大幅にラップタイムは向上していることが確認されたが、今年のニュルブルクリンク24時間レースには、同じSP3Tクラスには強力なアウディTT RSが4台出場している。このマシンはいずれも2.0L直噴ターボ/FF駆動方式で、4WDのWRX STIより規定重量が軽量なこともあり、WRX STIを上回るラップタイムを叩き出している。さらに元VWワークスカーのシロッコRもWRX STIを上回るタイムをマークしているなど、楽観できない状況ではある。ただ、ドライバーの吉田寿博によれば、「決勝でのラップタイムはほぼ同等」だという。
ドライバーは、従来と同じ顔ぶれで、吉田寿博、佐々木孝太、カルロ・バンダム、マルセル・ラッセーの4選手だ。なお、レースの模様は、以下の特設サイトとUstreamによりライブ中継が行なわれる。