スバル/STI WRXファンミーティング2019

SUBARU FAN BOOST vol.4

スバル/STIは「WRXファンミーティング2019」を愛知県新城市の「ふれあいパークほうらい」でイベントを開催した。集まったスバルファンはWRXのオーナーを中心に約1000台のWRXが全国から集まり、イベントを楽しんだ。イベントではEJ型エンジンの開発に携わったエンジニア、車両開発担当者などがステージでトークショーを行ない、開発秘話など滅多に聞けない「ここだけの話」で会場を盛り上げていた。

ペター ソルベルグ登場

さらにスペシャルゲストとして2003年にEJ20型エンジンを搭載したインプレッサでWRC世界チャンピオンとなったペター・ソルベルグも登場し、その後チームメイトになるトミ・マキネンも現れ、来場者のテンションも最高潮になった。ステージでは二人のトークショーの他にペターはデモ走行も行ない、ドーナッツターンを狭小スペースで披露するなど、マシンコントールの確かさは微塵も衰えていないテクニックを見せつけた。

ペター ソルベルグがファンの前に登場
ペター ソルベルグがファンの前に登場
トミ マキネンもトークショーに参加
トミ マキネンもトークショーに参加
狭小スペースでもドーナッツターンを見せるペター ソルベルグ
狭小スペースでもドーナッツターンを見せるペター ソルベルグ
絶大な人気は今も
絶大な人気は今も
ステージではSTI平岡社長との再会を喜ぶ
ステージではSTI平岡社長との再会を喜ぶ

ふれあいタイム

スバルはEJ20型エンジンの生産終了し、30年の歴史に幕を閉じることを発表したが、その歴史にはWRC世界チャンピオンの獲得や複数回にわたるニュルブルクリンク24時間レースでのクラス優勝、そしてスーパーGTのGT300クラスで走るBRZに搭載する現役エンジンとしても活躍している。また、現在も市販車両のWRXにも搭載され、数多くのファンがいる。

トークショーではEJにまつわる秘話がたくさん。最高速10万kmの世界記録やニュルでの優勝などファンには垂涎の時間だった
トークショーではEJにまつわる秘話がたくさん。最高速10万kmの世界記録やニュルでの優勝などファンには垂涎の時間だった

そうしたファンたちは、開発スタッフとの「ふれあいタイム」で直接1対1での対話ができるチャンスがあり、愛車に対する想いを熱心に語る姿が印象的だった。

大塚秀代さん18歳。静岡県島田市から初心者マークをつけて参加。STIの平岡社長と記念写真
大塚秀代さん18歳。静岡県島田市から初心者マークをつけて参加。STIの平岡社長と記念写真
しゃがみこんでのクルマ談義?
しゃがみこんでのクルマ談義?
静岡県の藤枝市から参加した笹野裕明さん(48歳)、奥様の裕美(ゆみ)さん、お兄ちゃんの陽介くん(中2)とまことくん(小学2年)。右はSTI車両実験部ハンドリングエキスパートの辰己英治さんと左がニュルブルクリンク24時間レース監督のSTIモータースポーツ技術統括部プロジェクト主査の沢田拓也さん
静岡県の藤枝市から参加した笹野裕明さん(48歳)、奥様の裕美(ゆみ)さん、お兄ちゃんの陽介くん(中2)とまことくん(小学2年)。右はSTI車両実験部ハンドリングエキスパートの辰己英治さんと左がニュルブルクリンク24時間レース監督のSTIモータースポーツ技術統括部プロジェクト主査の沢田拓也さん
東京練馬から参加した浅見康光さんはスバル/STIへの要望を伝えていた。左)STI取締役開発本部長の森宏志さん
東京練馬から参加した浅見康光さんはスバル/STIへの要望を伝えていた。左)STI取締役開発本部長の森宏志さん
開発スタッフとダイレクトに対話できる貴重なチャンスだ
開発スタッフとダイレクトに対話できる貴重なチャンスだ

参加者の浅見さんは、純正タイヤにこだわりコンプリートモデル専用タイヤのブリヂストンRE070を探して装着。もともとレガシィのBG、BH、BPと乗り継ぎ、しかも全てスペックBだったというが乗り換えのタイミングで、MTに乗りたかったという理由から、2013年モデルを探して買ったという惚れ込みよう。STIの森さんへは、「限定車には特別なものがついているので、それを維持するためにレストア部門を作って欲しい」ということをお願いしていた。

釧路から参加の工藤一美さん(49歳)は、これまでの中でWRXが一番カッコよくお気に入り
釧路から参加の工藤一美さん(49歳)は、これまでの中でWRXが一番カッコよくお気に入り

STI開発副本部長の高津益夫さんはスバル時代、現行WRXの開発責任者。釧路から参加の工藤さんは、17年式のWRX D型タイプSを所有。「D型はロワグリルの面積を少し大きくして、重心の低いイメージの顔にした」と高津さんが説明し、工藤さんは、「お気に入りはこの黄色いキャリパーですね。ガンメタのホイールとすごくマッチしていて気に入ってます。もともとレガシィ派で、BF5からBG5にいってBE5、BL5と乗り継いでターボがなくなったので、フォレスターに変えました。でも、なんとなく合わなくて1年でWRXに変えました。自分が買った中ではこのクルマが一番かっこいいかな」と。

BRZも持っているという大阪から参加の岩田直樹さんと麻理さん
BRZも持っているという大阪から参加の岩田直樹さんと麻理さん
スバルからも参加。商品企画本部長の阿部さんも岩田さんのオリジナルカスタマイズに興味津々
スバルからも参加。商品企画本部長の阿部さんも岩田さんのオリジナルカスタマイズに興味津々

3月の富士スピードウェイにはBRZで参加。今回はS208で参加していた岩田さん。しかし話はBRZの話へ・・・センターパネルのオーディ周りの処理で、ピアノブラックの処理があるけどシルバー処理されているのが気になる。これを業者にお願いして・・・と、こだわりの強い岩田さんは、具体的なデザイン処理を自分でカスタマイズ。

一緒に写真に収まるのはスバルの商品企画本部 本部長の阿部一博さん。スバル車全体の商品企画を見渡す立場だが、スバルは組織上の立場が上になると直接ユーザーと触れ合う機会がへってしまう。しかし、役員自身がユーザーと直接触れ合うことも重要と考え、今回阿部さんも参加したという。阿部さんも、「ダイレクトにユーザーの声を聞き、フィードバックしていく」とコメントしてくれた。

1000台のWRXオーナーの前に並ぶ、スバル/STIの開発関係者たち
1000台のWRXオーナーの前に並ぶ、スバル/STIの開発関係者たち
愛知県新城市にあつまった1000台のWRX
愛知県新城市にあつまった1000台のWRX

ペターの引退

イベント終了間際では、メディア向けにペーター ソルベルグのインタビューの機会もあった。

イベント終了間際にペターのインタビューが行なわれた
イベント終了間際にペターのインタビューが行なわれた

ーー今季を振り返って
「今季は自分のチームの運営で忙しかったですね。でも、このWRXファンミーティング2019の計画を聞いて、引退の世界ツアーの最中ですけど、ぜひ、このイベントに参加してファンのみなさんに伝えたかった。私は、プロの活動を止めますが、今後は自分のチーム運営に力を入れていきたいと考えています。他にも夢は他にたくさんあるんですよ」

ーー息子のオリバーについて
「息子はスバルモータースポーツUSAでスバルのレーシングスーツを着て優勝することが叶ったので、とても嬉しい。自分の引退の理由のひとつには体調を落としたこともありますが、息子が頭角を表してきたことが大きいです。来年は世界選手権に出るのでサポート役に回ることがベストだろうと。あ、私の体調はいまは回復しているので不安はありません」

ーー2020年に開催されるラリージャパンについては
「来年のラリージャパンは北海道より新城は東京に近いので、観客が多くなるでしょう。クルマも観客も多くなりますから、計画をキチンとする必要があります。そうすることで、今後もずっと安定してできることにつながりますし、それを期待したいです」

ーーEJ20型エンジンの終焉と引退が重なったことに関しては
「自分の引退では、これからエキサイティングな将来が待っていると思います。私の引退とエンジンの終焉は偶然重なりましたけど、STIのエンジニアが築き上げた歴史が背景にあり、特別な年になったと思います。未来は、環境や技術などすべてが変わっていくと思いますが、いい方向に進んでいくと思います。STIの社長平岡さんもEJエンジンを開発したした人なので気持ちが通じますね」

2008年WRカーのインプレッサ。ペターがドライブ
2008年WRカーのインプレッサ。ペターがドライブ
98年のWRカー。ドライバーはコリン マクレー
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2012年のニュル車。ドライバーは吉田寿博、佐々木孝太、カルロ ヴァン ダム、マルセル エンゲルス
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2018年クラス優勝2連覇したニュル車。ドライバーは井口卓人、山内英輝、カルロ ヴァン ダム、ティム シュリック
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SUBARU FAN BOOST

スバル STIの先端技術 決定版

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