スバル「ソルテラ」バッテリー制御のアップデートへ

スバルは2023年4月26日、トヨタ「bZ4X」のバッテリー制御ソフトのアップデートと同様に、EV「ソルテラ」でもバッテリー制御ソフトのアップデートを5月下旬から開始すると発表した。

これまでにbZ4X、ソルテラのEV性能に関して、急速充電性能において1日あたりに実行できる急速充電回数が2回に制限され、制限回数を超えると著しく充電速度が遅くなること、また急速充電でSOC80%から100%までの充電時間が特に遅くなること、メーター上の航続距離の表示が正確ではなく早めに走行可能距離が減少すること、メーター表示で充電容量表示のわかりづらさ、エアコン使用時における航続距離の急激な減少などの問題点が指摘されてきた。

これらの理由はメーカー側の思惑と、ユーザー側の使い勝手のギャップがあった。メーカー側は、急速充電を多用するとバッテリーの劣化、寿命に影響が出ると考えて回数制限を設定し、またSOC80%から100%までの充電はバッテリー側の負担を低減するために充電速度を意図的に抑えていたのだ。

またメーター上の航続距離の表示は、電欠して走行不能とならないようにメーター上の航続可能距離が0㎞であっても余裕を持って充電場所を探すことができるように、メーターには表示されない航続可能距離(バッファ)を多めに設定していた。

さらにエアコン使用時は実際のエアコン電力消費量より多めに消費する計算で残航続距離を表示していた。

このように、メーカー側の設計思想は徹底してバッテリーの劣化を防ぐことや電欠の発生を防ぐことを最重視しており、実際のユーザーの認識、利便性と乖離があったわけである。その背景にはEV作りの経験がこれまでなく、ユーザーの使用データなどもないことが考えられる。

今回実施されるバッテリー制御などのソフトウエアのアップデートでは、1日あたりの急速充電によるフル充電回数を現状の2回程度から約2倍に変更。そしてSOC80%以上の急速充電時間を従来より約20~30分短縮する。

航続可能距離の表示は、航続可能距離0kmになるタイミングを現状よりも遅らせることで、可視化される航続可能距離を増やす。バッテリーの電力容量のメーター表示に関しては、走行中、充電中ともに容量をパーセント表示に変更する。またエアコン使用時の航続可能距離の表示は、よりエアコン使用電力に合わせた表示にすることになっている。

なおこのソフトウエア・アップデートは5月下旬から既販売車両を対象に順次開始されるが、これ以降に生産される車両にも適用されることになる。

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