スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド試乗記 スバル式を貫いたハイブリッド

マニアック評価vol362

スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド 試乗記
インプレッサ スポーツ ハイブリッド 2.0i-S アイサイト(クォーツブルーパール)

XVハイブリッドに続くスバルのハイブリッドカー第2弾は、インプレッサ スポーツをベースにしたインプレッサ スポーツ ハイブリッドだ。グレードは2.0iアイサイトと2.0i-Sアイサイトの2機種で、当然ながらインプレッサ・シリーズのトップグレードという位置付けになっている。<レポート:松本 晴比古古/Haruhiko Matsumoto>

というわけで、ハイブリッドだからといって単純に燃費性能に絞ったモデルではなく、走り、充実した装備なども兼ね備えたモデルということになる。例えばインテリアはウルトラスゥエード/合成皮革を組み合わせた専用シートで、インスツルメントパネルやドアなどのトリムはブルーのステッチを採用するなど、見栄えもかなり高められている。

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スバルのハイブリッドシステムは、CVTトランスミッション内部にモーターを配置し、モーター出力=アシストも変速を介して行なわれるのが特徴だ。そのハイブリッドシステムは、第1弾のXV用を改良し、より幅広くモーターアシスト、ブレーキ回生を利用できるようになっている。

また2014年11月にインプレッサは年次改良を受け、特にシャシーのアップグレードを行なっている。つまりフロントクロスメンバーの補強、リヤではサスペンションリンクの剛性向上とコンプライアンスステアの改良などが行なわれ、このベース・シャシーをハイブリッド・モデルも適用し、さらにハイブリッド専用に静粛性も高められている。

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試乗したのは2.0i-Sハイブリッドだった。タイヤは215/50R17サイズ。つまりベースの2.0iの205/50R17よりワンサイズ太くしている。ハイブリッドでもAWDとし、タイヤもワイド化するなどスバルにおけるハイブリッド車の位置付けがよくわかる。

シート生地や、メーターパネル、インテリアの見栄え、質感も、インプレッサ・シリーズの中にあってトップグレートということが実感できる。<次ページへ>

スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド 試乗記

アクセルを踏み込むとリニアでトルク感のある加速が味わえる。このあたりもいわゆる燃費を重視したハイブリッド的な加速感とは全く違い、モーターの駆動力をエンジンのトルクに上乗せしたフィーリングといえる。

ただし、アクセルの踏込が大きい急加速などのシーンになるとちょっとフィーリングが変わる。通常のガソリンモデルのリニアトロニックCVTは普通のCVTらしくないリニアなフィーリングであるのに対し、このハイブリッドモデルはアクセルをがばっと踏むとエンジン回転の上昇が先行してから加速するというフィーリングが顔を出す。このあたりはCVTとハイブリッドの組み合わせならではの現象だ。

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運転席側(写真左)のバッテリーが始動モーター兼オルタネーター用、右側が電装用のバッテリー
ラゲッジ床下のニッケル水素バッテリーとインバーター/パワートランジスターユニット
ラゲッジ床下のニッケル水素バッテリーとインバーター/パワートランジスターユニット


その一方で、S-Iドライブとアイサイト(ver2)、ハイブリッドの組み合わせで実現した専用走行モード「エコクルーズ」が装備されている。全車速追従クルーズコントロール(ACC)を作動させた時に機能し、モーターの駆動力を最大限に使用し、その分エンジンの駆動負担を減らして燃費を稼ぐモードだ。実際に使ってみると、平坦な道での低負荷走行や下り坂などで、エンジンが停止されEVのみで走行する、あるいはエンジンの分担を減らすといった制御が行なわれるのだ。

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走りは、これまでのガソリンエンジン車とハイブリッドはかなりフィーリングが違う。剛性感が高く、軽快なハンドリングとフラットな乗り心地で高いレベルにあるガソリン車に比べ、全体的に角がない、おだやかな印象だ。考えてみると、同じ2.0Lエンジンを搭載するガソリン車に比べハイブリッド車は約130㎏ほど重くなっており、これが走りのフィーリングの違いになっているのだろう。

もちろんそのためタイヤサイズもアップされ、サスペンションも専用設定となっているが、走りのフィーリングは軽快というよりは落ち着いた感じだ。ただ、ステアリングの切れ味のよさやボディ全体のしっかりした剛性感はインプレッサ一族だということは伝わってくる。

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走行中の室内の静かさもかなり高いレベルにあるが、やはりエンジンの回転が高くなると少しエンジン音が高くなる印象だ。またブレーキのフィーリングもハイブリッド車の中では癖の少ない部類で、かなりリニアなフィーリングにまとめられている。

このハイブリッド車はモーターアシストによる常用域での走りと燃費の両立と快適な居住性や快適性を両立させ、誰にでも乗りやすい、扱いやすい性格を持つ。それに加え、AWD、アイサイトという他のハイブリッド車にはない武器を持つ独特の存在だ。そして同グレードのガソリン車と比べ+25万円という価格もけっこう魅力的と言える。

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