スバル 新型「インプレッサ」の先行予約を開始

富士重工業は、2016年秋、発売予定の新型「インプレッサ」の先行予約を2016年9月1日より開始した。

第5世代となる新型インプレッサは、富士重工業が中期経営ビジョン「際立とう2020」において次世代モデルの第1弾として位置づける戦略車。次世代プラットフォーム“SUBARU GLOBAL PLATFORM”をはじめとした様々な新技術を投入し、「総合安全性能」と「動的質感・静的質感」の大幅向上を実現している。

新プラットフォームの採用で注目したいのは、まずキャビンスペースの拡大だ。前席の足元を広げ、ステアリングのチルト・テレスコストロークを拡大することで、より最適なドライビングポジションが取れるようになっている。また新プラットフォームの採用に併せてフロントシート構造も刷新し、後席乗員の足元スペースも拡大した。

ボディサイズを拡大しながら、最小回転半径は従来モデルと同様の5.3mを実現している点も見逃せない。取り回しの良さはそのままに、スポーティなデザインとクラスを超えたゆとりのスペースを両立。日常生活や遊びなど多目的に使うことを想定し、ラゲッジスペースの開口部も拡大された。

新型インプレッサのボディタイプは、5ドアハッチバックの“SPORT”と4ドアセダン“G4”の2種類。いずれも新デザインフィロソフィー「DYNAMIC x SOLID」を量産モデルとして初めて全面採用し、機能性とデザイン性を両立している。

フロントフェイスは、ワイド&ローを強調するヘキサゴンモチーフのフロントグリル、Cシェイプのポジションランプなどのデザインモチーフを際立たせることで、スポーティなデザインへと進化させた。

スバル 新型インプレッサ SPORT 2.0i-S EyeSight(プロトタイプ)
スバル 新型インプレッサ SPORT
2.0i-S EyeSight(プロトタイプ)

SPORTのサイドスタイルは、フロントガラスを傾斜させるとともにルーフ後端を下げることで、居住空間を犠牲にすることなく空力的に有利で流麗なフォルムを実現しているのが特徴だ。また、ウインドウのショルダーラインとドア下部のキャラクターラインに加え、前後のフェンダーから流れる「ダイナミックブレード」と呼ばれるキャラクターラインを採用。ボディ面に抑揚を持たせた立体感のあるダイナミックなスタイルを実現した。

リヤスタイルも左右に大きく張り出したリヤコンビランプによりワイド&ローを強調。大型ルーフスポイラーや翼端板、フィン形状のリヤバンパーなどにより空力性能も高めている。

スバル 新型インプレッサ G4 2.0i-S EyeSight(プロトタイプ)
スバル 新型インプレッサ G4
2.0i-S EyeSight(プロトタイプ)

一方G4は、クーペのような流麗なルーフラインとハイ&ショートデッキの組み合わせにより、優れた空力性能とスポーティさを備えた新しいセダンフォルムを実現。キックアップしたトランクリッドやリヤバンパーによるシャープなシルエットで、軽快な走りをイメージさせている。

インテリアでもスバルの次世代を担うコンパクトカーとしてクラスの枠にとらわれない高い質感を実現している。まずインストルメントパネルは抑揚を持たせた大胆な造形によって「機能性に裏付けられたスバルらしいデザイン」を感じさせるとともに、流れるような連続造形で室内寸法以上の「広さ」も表現した。

インパネにはステッチによる質感向上が施され、加飾パネルをはじめ、コンビメーターやステアリング、シフトノブ、ベルトリングなどの重要なパーツは周囲を金属調パーツで囲う「ケーシングモチーフ」も採用。機能性を表現した造形としている。

シートは表皮材のラミネートウレタン厚みを見直すことで立体的な造形を演出するとともに、手触りや座り心地も向上させている。併せて、バックレストのランバー部分へのプレートの追加や、胸椎部のパッド面の剛性向上により、上半身をしっかりと支え、シートの内部構造を一新することで座り心地も大幅に向上させた。

マルチファンクションディスプレイ(MFD)のコンテンツも強化された。画面のデザインも一新し、すべての乗員に「愉しくて役に立つ情報」を「わかりやすく」伝えられる仕様になっている。8インチの大画面ナビゲーションシステムも、MFDと連動することで使い勝手を向上させた。

新プラットフォームの採用に合わせて新開発した空調システムは、ヒーターブロアユニット一体型の空調ユニットを搭載。温度空間の均一化を実現すると共に、静粛性を高めることで快適性を向上させた。

スバル自慢の安全性能については、最新の自動ブレーキシステムEyeSight(ver.3)が2WD車にも標準装備されるようになった点に注目したい。これにより新型インプレッサはEyeSight(ver.3)が全車標準装備となった。

さらに車線中央維持機能の新採用やACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)も進化。自車の後側方から接近する車両を検知しドライバーに注意を促す、スバルリヤビークルディテクションの採用も安全運転をサポートする。

パッシブセフティ面ではボディ構造の最適化と高張力鋼板の適切な配置により、質量増を抑えながら、前面・側面・後面すべての衝突安全性を向上した。衝撃エネルギー吸収量は現行車比1.4倍を誇る。

またバンパー内部の圧力センサーにより歩行者との衝突事故を検知し、瞬時にフロントガラスとAピラーの下端をエアバッグで覆うことで、歩行者の頭部へのダメージ軽減を図る歩行者保護エアバッグを、国産車としては初めて全車標準装備。乗員・乗客はもとより、歩行者など周囲の人々も含めた安全性能を一層強化した。

この他にも0次安全としては、コーナーや交差点で、ステアリング操作に合わせてヘッドランプ光軸を左右に動かすステアリング連動ヘッドランプを採用。ステレオカメラで先行車や対向車などの灯火を検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えるハイビームアシストも、夜間のドライブにおける安全性を高める装備となっている。

新プラットフォームは、前後ともにサスペンション構造を刷新することで大幅に剛性アップしている。ボディもフレームワークを一新し、従来比+70〜100%の大幅な剛性向上を実現している。ねじり剛性などの車体剛性が高まったことで、操舵性能向上と共に振動騒音を抑え静粛性を高めた。

スタビライザーリンクの取付け位置も、フロントが従来のアームフロントからストラットに、リアが従来のアームからハウジングへと変更され、さらに車体に直接取り付ける方式に変更することで、スタビライザーの効率を高めロール剛性を向上させている。

ステアリングギヤボックスは機構部と制御を見直し、操舵フィーリングと操舵応答性を向上させている。走りの軽快感や取り回し性能を高めるため、ギヤ比は従来の14.5:1から13:1のクイックな設定に変更された。

操舵応答性と操縦安定性が向上したことにより、レーンチェンジなどでは操舵に対してクルマがリニアに反応することで、よりスムーズで安全な移動が可能になった。またすでにレヴォーグなどに採用しているアクティブ・トルク・ベクタリングがインプレッサにも採用され、コーナリング時のライントレース性を向上させている。

ブレーキには新開発の高剛性ブレーキキャリパーが採用された。ブレーキ踏みはじめの無効ストロークを短縮することでドライバーの思い通りに減速度が立ち上がり、剛性感のあるしっかりとしたブレーキフィーリングを実現している。

搭載するエンジンは、2.0L直噴NAと1.6L NAの2種類が用意された。新開発の2.0L直噴NAエンジンは、燃料システムの直噴化をはじめ、約80%の部品の設計を見直すと共に、従来型比約12kgの軽量化を実現。クラストップレベルの最大正味熱効率を達成することで、車両としてカテゴリートップクラス(2WDを含む)の燃費と、実用域トルクの向上の両方を実現した。

またエンジン本体の高剛性化や固定点の追加により、振動騒音を軽減。車両の加速と音の一体感を実現して走りの気持ち良さを高めている。

1.6L NAエンジンは従来モデルのエンジンをベースに、出力性能を維持したまま、環境性能の向上と振動騒音の低減するとともに、大幅な軽量化を実施。静粛性と操縦安定性、燃費向上を実現している。

リニアトロニックも全面的に改良が施された。チェーンのさらなるショートピッチ化を行い、レシオカバレージ(変速範囲)を6.28から7.03に拡大。発進加速性能と高速巡航時の燃費の双方を向上させている。さらにトルクコンバーターの小型化やケースの肉厚最適化により、従来型比で約7.8kgの軽量化を実現。車両全体の燃費向上とドライバビリティの向上に貢献した。

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