SUBARUの新型フォレスターがデビューする。2023年11月に北米・ロサンゼルスモーターショーでワールドプレミアされ、すでに北米では2025年モデルの販売がスタートしているが、ストロング・ハイブリッドも追加され話題となりそうだ。そして国内ではストロング・ハイブリッドモデルと1.8Lターボモデルがデビューした。

モデル概要
この発表に先駆け、ひと足先にクローズドコースで試乗してきたのでお伝えしよう。まずは第6世代となった新型フォレスターのアウトラインだが、プラットフォームは、お馴染みのSGP(スバルグローバルプラットフォーム)。パワートレインは2タイプで、ひとつは、FB25型2.5L水平対向エンジンとリニアトロニックCVTの組み合わせ。ハイブリッドシステムは、トヨタのTHS2をベースとした、ストロング・ハイブリッドだ。そしてもうひとつは、CB18型1.8Lターボ+リニアトロニックCVTの組み合わせだ。





ボディサイズは全長4656mm、全幅1829mm、全高1730mm、ホイールベース2670mmで、最低地上高は220mmでオールシーズンタイヤを標準としている。
気になるストロング・ハイブリッドは、クロストレックですでに搭載しているものと同じで、フォレスター向けに適合させたシステムだ。制御はTHS2のハイブリッドシステムをベースとしており、高電圧でのやりとり、インバーターのやりとりはTHS2で、バッテリー、モーターの使い方の基本もTHS2の仕組みでできている。

しかし、SUBARUオリジナルとなる機能では、例えば機械式AWDのシステムなど、THS2にはない機構があるため、そうした制御はSUBARUオリジナルでチューニングあるいは新規にプログラムを制作している。そのため走行性能におけるプログラムはTHS2の延長線上にあることとなり、チューニングで対応、あるいは別なベクトルの制御は、新規制作という取り組みで仕上げている。
また1.8LターボモデルはDITスポーツの名があり、ターボらしい走りを備えモデルラインアップに幅を持たせる意味で並べている。
モデルハイライトはデザイン
新型フォレスターの最大の特徴はエクステリアデザインだと只木PGMは話す。量販モデルの開発プロセスを簡単に説明すると、まずフォレスターはグローバルのため、グローバルでの調査で車型や大きさなどマーケットごとの情報を掴み、そこから商品企画がスタートする。その時点でどんな車型で大きさはどのセグメントでといったアウトラインが決まる。

次に製品企画でどんな技術でその商品を作っていくかが検討され、そこではコストや販売価格なども含む検討がおこなわれ、そして最後に意匠デザインが決定しく流れが一般的なのだ。
しかし新型フォレスターは、最初の入口がデザインから始まっているのだ。マーケット情報は北米と国内がメインの本格SUVという属性のみ決め、そこからフォレスターのデザインが始まったという。デザイナーには「フォレスターの後継モデルであることを意識しなくていいから自由にデザインして欲しい」という要求を出したそうだが、デザイナーもそうしたプロセスは初めての経験だったそうで、かなり苦労したという。
産みの苦しみを経てデビューしたのが、この6代目フォレスターというわけだ。

見るからに存在感は強く、フル・インナーフレーム構造で高いボディ剛性を確保しつつ、存在感のあるフロントフェイスになっている。高い位置にヘッドランプがありグリルと一体化した新デザインで強調されている。リヤは荷室空間の広さを感じさせる傾斜を抑えたリヤゲートデザインで、本格SUVとしての魅力を発揮している。左右のコンビネーションランプも高い位置でつながることでワイド感が強調され、全体的に力強さとタフネスさが伝わるデザインに仕上がっているのだ。
走りの性能
クローズドコースで走行テストを行なったが、ストロング・ハイブリッドは19インチ、1.8Lターボは18インチを装着。ハイブリッドは重量がある分、上質な方向に魅力が発揮されつつ、スポーティなハンドリングでもある。とてもナチュラルな操舵フィールでEPS制御も気持ち良い。ブレーキも回生ブレーキとの協調制御だが、違和感なくタッチできる。

ハイスピードで走行するとやや不感帯はあるが、気になるレベルでもないし、公道で体験する旋回速度ではない領域での印象だ。一方、1.8Lターボは軽快に感じられ、低速コーナーでの不感帯があるのはターボ車特有のターボラグ。こちらも一般公道の走行レベルではない領域での話だ。
そしてターボモデルはオールシーズンタイヤということもあり、グリップ限界は低く、すぐさま制御が介入する。その介入は自然で、すこし滑りながら旋回モードに入るため、ナチュラルに滑りをコントロールできている。しかし、全体が軽妙な印象のため、この動きは楽しいと感じるわけで、ストロング・ハイブリッドとは違ったナチュラルさが印象に残った。



その分ストロングハイブリッドはどっしり感があり、限界を超えると同様に制御による旋回モードになるのだが、その動きはターボより穏やかで、上質な印象を持つ。つまり、そうした走らせ方はストロングハイブリッドには似合わないという印象に変わる。
ハーシュネス(突き上げや大きな入力)のテストもあったが、タイヤのインチ違いからエアボリュームが異なり、比較は難しい。ただいずれも強い入力はなく、振動の収まりも速い。音の侵入もよく抑えられていると感じた。
ターゲット層
グローバルマーケットでもSUV比率は大きくなり、SUVが当たり前の車型に変わってきている状況だ。そうした中、クロストレックやアウトバックのようなクロスオーバーではなく、正統派SUVを投入したわけで、新しい客層の獲得も目指しているのが新型フォレスターだ。


前述のようにエクステリアデザインには大きなこだわりをもって開発しており、SUBARUが自信を持って投入している。商品アプローチの違いにより、第6世代となったフォレスターはワイドで厚みがあり、大きな塊として見せるデザインができていると思う。
このあと5月下旬から6月にかけて一般公道でのテスト機会があるので、実際の使い勝手や乗り心地などは公道試乗を待ってお伝えしよう。