スバルは2023年6月20日、秋に発表を予定している日本仕様のBRZ改良モデルに、MT車向けの運転支援システム「アイサイト」を搭載すると発表した。
BRZ改良モデル向けに搭載されるMT用アイサイトは、従来のAT用ステレオカメラ式アイサイトをベースにMT車に適合させたものだ。プリクラッシュブレーキ、前走車追従機能付きクルーズコントロール、車線逸脱・ふらつき警報機能、前走車発信お知らせ機能、後方警報機付きのソナーを備えている。
このアイサイトはMT用であるため、ギヤ位置やクラッチなどの操作に関係なく、対象物体に接近している場合はプリクラッシュブレーキが作動し、その自動ブレーキ作動中に最終的にエンジンは停止するが、そのエンスト状態でも必要なブレーキ力が継続し、停止後3秒間はブレーキ力が保持されるようになっている。
つまり、走行中にクラッチを踏んだ状態、ギヤがニュートラルポジション、またはクルーズコントロール作動中であってもプリクラッシュブレーキは作動するというわけ。
プリクラッシュブレーキは1.0km/h以上、クラッチを踏んでいる時やギヤがニュートラルの場合は8.0km/h以上の全車速域で作動する。
なおAT用アイサイトでは採用されている後退時ブレーキアシストはMT用では採用されていない。これは後退して危険を回避するような場合に、ブレーキアシスト機能を瞬時に解除することが困難なためで、その代わりにクリアランスソナーで警報が発せられるようになっている。
さらにMT用アイサイトでは誤発進抑制制御の機能も搭載されていない。MTの場合は発進時にクラッチを操作するので、この機能は不要とされているからだ。
また、前走車追従機能付きクルーズコントロールは、30km/h以上で、かつ2速ギヤ以上の範囲で設定が可能だ。クルーズコントロールは全車速追従ではなく25km/h以下になるとキャンセルされる。
この25km/hという車速は、6速ギヤの状態でエンストしない車速という理由で設定されている。その他にクラッチを5秒間以上踏んだ状態、またはギヤがニュートラルで走行する状態が5秒間継続する場合はクルーズコントロールはキャンセルされる。
そして、ポイントはクルーズコントロール作動中にクラッチを踏みシフトチェンジを行なっても、違和感のない自然なフィーリングでの走行が維持できるようにMT専用チューニングが行なわれている点だ。