スバル「スーパー耐久シリーズ2023」チーム体制発表

「スーパー耐久シリーズ2023」のシリーズ第1戦「鈴鹿スーパー耐久5時間レース」は3月18〜19日に開催される。スバルは2023年3月18日、その参戦チーム体制を発表した。

スバルは2022年からカーボンユートラル燃料(CNF)を使用するBRZでスーパー耐久シリーズ・ST-Qクラス(自動車メーカーの開発車両が出場できる改造無制限クラス)に出場しているが、2023年はBRZをアップデートして出場することになる。

参戦車両の名称は「Team SDA Engneering BRZ CNF Concept」。なおSDAは、スバルの技術部門のエンジニアをテストドライバーとして育成するSUBARU Driving Academyのことで、SDA Engneeringとはスバルの技術部門が結集してレース車両を開発していることを意味し、実質的に社内の技術メンバーによるワークスマシンであることを物語っている。

BRZに関するコンセプトは、水平対向2.4Lエンジンにガソリン、つまり化石燃料ではないカーボンフリーの合成燃料を使用するためのエンジンの開発を行なうということで、トヨタが参戦を呼びかけたのに応え、BRZが開発されている。

一方、トヨタは86を使用し、1.4L・3気筒ターボ・エンジンを搭載しCNFを燃料としており、兄弟車であるGR86とBRZが同じ燃料を使用し、異なるエンジン・タイプでST-Qクラスで戦うという展開となっている。

ただし、ST-Qクラスでは車両の改造範囲は無制限であるため、どれほどレースに最適化した技術を投入できるかも速さのポイントになる。そうした面では、トヨタのルーキーレーシングはGAZOOレーシングの技術ノウハウをいち早く採用しており、これまでレース経験のなかったTeam SDA Engneering BRZ CNF Conceptは、2022年の参戦初年度は量産車に限りなく視界状態からスタートを切っており、シーズン中盤からレース適合技術を徐々に導入している。

2023年第1戦の仕様は表のようになっており、シャシーのチューニング、エンジン特性の改良、トランスミッションの6速ギヤ比変更、アイサイト・カメラの搭載、データロガーの搭載などが行なわれている。

ルーキーレーシングのGR86 CNF conceptは1.4Lターボエンジンで高過給圧を使用しているとみられ、パワー、トルクが自然吸気のBRZを上回っていると考えられているため、BRZはエンジンのレスポンスと燃費のよさ、シャシーのチューニングで対抗している。

チーム体制では、プロドライバーの井口、山内選手と、スバルのエンジニア廣田光一(車両運動開発部)、伊藤和広(車両運動開発部)の2名、合計4名がドライバーとなっている。

またチーム監督は本井雅人(スバル研究実験センター所長)、チーフエンジニアは竹内源樹(ボディ設計部)となっている。

3月18日に鈴鹿サーキットで行なわれた公式予選(A/Bドライバー2名の合計タイム)では、ルーキーレーシングのGR86 CNF conceptが4分37秒674、BRZ CNF Conceptは4分39秒587で、約2秒の差がつけられた。

なお、トヨタのルーキーレーシングは、本来はGR86 CNF conceptと液体水素を燃料とするカローラH2 conceptが出場することになっていたが、カローラH2 conceptはテスト走行中に水素漏れによる車両のエンジンルーム火災が発生し、参戦を断念し、今回はGRヤリスでの参戦となっている。

スバル 関連記事
スバル 公式サイト

COTY
ページのトップに戻る