【スーパーGT2023】SUBARU BRZ GT300 シェイクダウン「チャンピオン奪還を目指す」

2023年2月21日、スーパーGT GT300クラスに参戦しているSUBARU BRZ GT300のシェイクダウンテスト及び体制発表が静岡県小山町の富士スピードウエイで行なわれた。

チーム体制はこれまでと変わらず、スバル テクニカインターナショナル(STI)とR&D SPORTがタッグを組む体制で臨み、ドライバーもこれまで通り井口卓人、山内英輝の2名でシリーズチャンピオン奪還に挑む。チームは総監督にSTI小澤正弘、監督はR&D SPORTの澤田稔、タイヤもダンロップという従来のパッケージだ。

2023年はマシンのレギュレーション変更があり、外装、ボディ下面、フロアパネルの変更が行われるということだが、この日はそれらへの対応が間に合わず、22年仕様の外装でのテストとなった。

レギュレーションの変更ではボディ外装に変更が予定されており、またボディ下面には、前後アクスルに装着されるスキッドブロック、そしてフロントアンダーカバー付近のバーチカルフィンが装備されているが、この辺りの変更が指示されるようだ。

この新レギュレーションには開幕戦までに間に合わせることになるが、3月の公式テストでもその姿を見れる可能性は高いと思う。

一方で、マシンについてはいくつかの改良&アップデートを行なっていることが澤田監督から説明があった。大きく分けて3項目あり、ひとつは空力性能の向上でコーナリングスピードを上げるためのダウンフォース、最高速を伸ばすためのドラッグの低減をアップデートしているという。これらは前述のレギュレーションに基づく変更をしつつ、性能アップを目指すというものだ。

シャシー性能の向上として、コーナリングスピードをさらに上げるために、サスペンションセッティングの見直し、検討を進めているという。その中でもとりわけ、タイヤ&ホイールにおいて剛性を上げることを狙っている。高荷重、ハイスピード域のレベルアップを目指しているというわけだ。

具体的にはBBSホイールが新仕様のデザインになっている。形状はフェアリングデザインに変更され、ホイール自体の歪みを抑えるデザインにしている。このフェアリングデザインはWECマシンでも見られるように、空力性能も加味しているが、GT300では自由なテストが禁止されているため、ホイール単体での性能開発は難しいという。

新開発のタイヤ&ホイールに合わせたセットアップを極めコーナーリングスピードの向上を目指す

しかしながら、BBSはBRZ GT300とは永く関係性があるため、ボディサイドに流れる空気の流れとの組み合わせで開発できており、その効果は期待されるところだ。そしてホイールの歪みでは、従来コーナリング中にタイヤとホイールには歪みが生じていたが、ホイールの剛性をあげることで、タイヤのグリップ力を高めることを狙って仕上げたということだ。さらに、ホイールとタイヤのスリップ問題にも対策をしているという。

これは高い荷重がかかると組んだホイールの中でタイヤだけ空転する現象が起きる。タイヤはリムに固定されているわけではないので、スリップが起きるわけだ。そのスリップによるタイムロスという可能性もあるわけで、新ホイールでは対策をしているという。

左は2022年シーズン使用されていたタイヤ&ホイール

そしてエンジンの信頼性と性能向上だ。こちらは制御を一新し、CN燃料に合わせてさらに信頼性を上げていくことだ。エンジンの加速力のアップ、ドライバーのコントロール性能の向上を目指している。オフテストで毎イベントでセットアップを続けているという。

じつは22年当初新制御を行なっていたのだ。具体的にはマクラーレンECUからMotec ECUへ変更しているが、制御しきれていない部分が残り、22年シーズンは21年仕様と同じに戻している経緯があった。それを22年夏頃からCN燃料になることと合わせて開発をすすめ、23年は再度モーテックECUでの制御に変更するということだ。これにより加速力アップ、コントロール性のアップを見込んでいるという。

制御を一新しエンジンの信頼性と性能向上を目指す

さて、テストでは路面温度、気温共に低く、タイヤの暖まりが悪く残り15分のときのインラップでベストラップが出るというほどウオームアップに苦しんだ。その結果、BBSの新ホイールを装着できないまま、テスト終了となってしまった。約2週間後の公式テストでの成果に期待したい。またエンジン制御系も順調のようで、ドライバーコメントもいい感触を得ているという。

一方でドライバーの意気込み、チームの意気込みはチャンピオン奪還でひとつになり、山内英輝は最多ポールポジション獲得という個人的な目標も掲げて、シーズンに挑むと宣言していた。

テストを終えた山内英輝

間もなく開幕するスーパーGTは、3月11日、12日に岡山国際サーキットで公式テストを行い、そして3月25日、26日に富士スピードウエイでも公式テストが開催される。どちらも有観客での開催になるので、実車を近くで見るチャンスだ。

開幕戦は4月15日、16日の岡山国際サーキットで始まり、全8戦でチャンピオンが競われる。23年シーズンも海外戦がなく派手な印象は薄いが、レース自体は毎戦激しいレースが繰り広げられるのは間違いなく、開幕が待ち遠しい。

チームを盛り上げるレースクイーン「BREEZE」の2023年メンバーも発表された
(左から桜田莉奈さん、楠木絢さん、須藤セリナさん、朝倉咲彩さん)


COTY
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