スバルは2022年3月18日、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース(3月19日〜20日)に、「BRZ」をベースとしたカーボンニュートラル燃料を使用する車両で参戦することを正式に発表した。
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関連記事のように、すでに昨年11月のスーパー耐久シリーズ最終戦(岡山)で、スバルもトヨタと同じカーボンニュートラルの合成液体燃料を使用する車両で2022年のスーパー耐久シリーズに参戦することを発表している。
豊田章男社長がスバルの中村知美社長にいきなり参戦を要請のが実情で、この11月の時点では、社長の決意表明だけで、実際の車両やエンジンの具体的な開発はまったく行なわれていなかった。
そのため、実際にプロジェクトが始動したのは年末からで、からくも2022年第1戦に出場することができたわけである。
スバルもトヨタと共同し、内燃エンジンを活用した燃料の選択肢を広げる挑戦としてこのスーパー耐久シリーズ2022を位置付けている。
そのため、このプロジェクトはレース運営専門のSTIではなく、スバル技術本部のエンジニアが中心になって開発を行なう体制となっている。なおこのプロジェクトには若手エンジニアを中心に100人以上のメンバーが、通常業務と兼任で参画しているという。
なおチーム名の「SDA」は、従来からエンジニア兼テストドライバーの運転&評価能力向上を目指す社内活動名の「スバル・ドライビング・アカデミー」の頭文字だ。
使用する燃料は、二酸化炭素と水素、その他一部非食用のバイオマスなどを由来とした成分を、ガソリンのJIS規格に適合するように合成して製造された燃料だ。燃焼時の二酸化炭素の排出量はプラスマイナスゼロとなると考えられており、カーボンニュートラル実現のための手段の一つとしされている。なおこの合成燃料はトヨタのルーキーレーシングが使用する燃料と共通で、トヨタは3気筒・1.4Lのターボ過給エンジンで使用し、スバルは自然吸気の水平対向エンジンで使用することになる。
なお、BRZは量産車技術の延長線上でレースにどこまで対応できるかを試すため、レース用の改造は最小限に留めているというので、重量的にはハンディキャップが大きそうだ。
いずれにしてもこのスバルBRZはスーパー耐久のST-Qクラスで、同じ燃料を使用するルーキーレーシングのGR86と競い合うことになる。