スバルは2021年7月29日、2代目となる新型「BRZ」を正式発表しました。新型BRZはこれまでに、4月にトヨタGAZOOレーシングと合同で新開発の「86」「BRZ」の概要をオンライン発表し、7月17日にはサーキットでプロトタイプ試乗会を開催しています。
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この時点でプロトタイプと呼んでいるのは、車両が量産試作車レベルであるとともに、まだ型式指定の認証を得ていない、つまりナンバーが付けられない状態であったからで、型式認証の試験が現在進行している状態です。
今回、スバルが新型BRZの発表を行なったということは、型式指定を得られる見通しがついたことを意味しています。また、スバル販売店ではこの正式発表を受け、受注が開始されています。実際の納車は早くて8月末から9月頃と想定されています。
なお、アメリカ市場でも7月22日に2022年型(新型)BRZの価格、グレードが発表され、グレードはプレミアムとリミテッドの2グレードで、日本円換算で316万円からとなっています。アメリカ市場でも納車は2021年秋とされており、日本市場と足並みを揃えています。
一方、トヨタのGR86は、BRZより1~2ヶ月遅れて発売にされると予想されています。
BRZのモデル概要
すでに発表されているように、新型BRZは従来のFR専用のプラットフォームを継続使用し、SGPのノウハウを取り入れて改良すると同時に、アッパーボディ、骨格はインナーフレーム構造とし、さらに超高張力後半も採用することでボディ剛性の大幅な向上と軽量化を実現。結果的にフロント横曲げ剛性は約60%、ねじり剛性は約50%向上され、従来型と比べ別次元といえるほど剛性を高めています。
特にボディでは、衝突安全性能を向上させるための重量増大を防ぐために、ボンネット、フェンダー、ルーフなどはアルミ製とするなど軽量化も行ない、従来モデルと同等の車両重量を実現しています。
パワーユニットは、アメリカ市場向けのFA24型をBRZ専用に大幅改良し、低中速トルクをアップしながらスポーツカーらしい高回転性能と両立させています。最高出力235ps/250Nmを発生し、従来型のFA20型に比べパワーは35ps、トルクは38Nmアップ。特に最大トルク回転数が従来型は6400rpm~6800rpmと非常に高回転だったのに対し、新型は3700rpmと中速トルク型になり、実用域でのトルクが大幅に強化され動力性能を高めています。
また従来モデルで採用されていた旧世代の6速MT、6速ATは大幅にアップデートされ、MTではギヤの強化やショートストローク化、ATはスポーツ走行向けの変速制御プログラムの導入、ドライバーの運転パターンに合わせるアダプティブ制御の採用などにより大幅に進化しています。
シャシーは、従来型のサスペンションなどを継承しながら、より熟成。BRZはシャシー・コンポーネンツを含め進化させているのに対し、独自性を主張するトヨタGRは従来型パーツをあえて採用するなど、スバル、トヨタGRとの理念の相違が見られるのは興味深いところです。
また、さらなる低重心化を追求し、約4mmの重心低下を実現。初代BRZよりも低重心であることを主張したGRスープラよりも低重心化に成功しました。
デザイン的には躍動感が感じられるスポーツカーらしいデザインとされ、トヨタのデザインをベースにBRZのデザイン要素が盛り込まれています。特に低さを強調したボンネット周り、リヤフェンダー周りのボリューム感は新型の特長となっています。
インテリアは従来型以上にシンプルな水平基調のインストルメントパネルとし、広い視界を確保。シートも新設計となり、スポーツ走行のために最適化されています。
またATモデルは運転支援システム「アイサイト」を標準装備し、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロール機能が与えられています。
新型BRZのグレードはR、Sの2グレードで価格は308万円~343万2000円。両グレードの価格差は18万7000円。また6速MTと6速ATとの価格差は16万5000円で、もちろんこの中にはアイサイトの価格も含まれています。