SUBARU BRZ GT300インサイドレポート 見えない電気系トラブルに泣く 予選7位 決勝リタイヤ

イケイケの戦略

決勝はこうしたメンバー以外にも前年チャンピオンの55号車やメルセデスAMG GT3の4号車、RC-Fの96号車、GT-Rの10号車など強敵が背後にいる。

スタートドライバーは山内英輝選手。GTAから指定されたタイヤはQ2で使用したタイヤだった。BRZ GT300はメインと想定していたソフトタイプなので好都合だ。

しかし、日曜日の富士スピードウェイは梅雨明けを思わせる晴天と湿度になった。路面温度は高くスタート時点でも35度あり、午後3時以降は下がっていくのかと思いきや41度まで上昇していた。Q2で使用したユーズドがどこまで使えるか、また4本交換でいくのかという課題はあった。

そして迎えたスタートでは山内選手は1コーナーで前を走る5号車を刺し、6番手に浮上。幸先の良いスタートが切れた。順調に周回を重ねる中、31号車と2号車がトラブルなのか早々にピットに入り、BRZ GT300は難無く4位に順位を上げた。

レースは上位3台が団子状態の混戦で11周目の時点でBRZ GT300はトップと4秒202離されていたが、トップ争いをしていたため22周目には0秒622差まで接近できた。すでにトップ争いに加わっていると言えるほど至近距離に縮めていた。

悪夢のような無反応ペダル

素晴らしい追い上げを見せる山内選手だが、各車ドライバー交代のピットインが始まった。BRZ GT300も23周目にピットインし、ドライバーのコメントから4本交換をして井口選手に交代。山内選手は後続に十数秒のアドバンテージを持ってピットインしているので、給油に時間のかかるBRZ GT300でも大きく順位を落とすことはなかった。

29周目あたりまでピットインの関係で順位の入れ替えは激しいが、5〜6位では走行できていたのだ。しかし、31周目突如「スロットルが効かない」と無線が飛んできた。エンジンが反応しないのだ。やむなく井口選手は離脱を判断しコース脇に止め、レースを終了させることになった。

レース直後渋谷総監督は「昨年同じような現象で富士をリタイヤしたので、万全の対策はしてきました。これまでのテストでも一度もトラブルは出ていませんので、自信をもって臨んだ初戦でした。ちょっと気になるのはウォーターランプが点滅していたのと、燃料ランプが点灯していたということですので、前回とは少し違うかと思います。持ち帰ってしっかり調べなくてはなりません。それにしても今季の開幕戦でリタイヤは痛い。これまでマシンもタイヤも戦略も、そしてドライバーたちも全て順調に来ていただけに、マシントラブルが出るとは・・・」

というコメントが聞けた。たしかに当サイトでも詳細なレポートをお伝えし開発の経緯でもトラブルは一度もなかった。逆に、パワートレーンへの信頼を回復していて、全員がやる気を充実させていただけに、信じられない結末を迎えたわけだ。<レポート:高橋明/Akira Takahashi Photo GTA/subaru/編集部>

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