スバルは2024年11月19日、次世代アイサイト用の開発のために、アメリカの大手半導体メーカー「オンセミ(onsemi 米国アリゾナ州)と、Hyperluxイメージセンサー「AR0823AT」の専用設計に関する協業を開始するとを発表した。
オンセミの源流はモトローラ半導体で、同社からスピンオフの後、企業買収により三洋半導体部門やフェアチャイルド半導体を始め、次々に半導体企業と合併し、世界規模の半導体開発、製造企業となっている。自動車、通信、コンピューター、民生用、工業用など多分野の半導体を開発、製造している大手だ。
スバルは、運転支援システムアイサイトに代表される「予防安全」、「0次安全」、「走行安全」、「衝突安全」に「つながる安全」を加えた総合安全思想に基づき、車両を開発し、2030年死亡交通事故ゼロの実現を目指している。
そのためのキーとなるのが2020年代後半に登場予定の次世代アイサイトの大幅な性能向上だ。
次世代アイサイトは、ステレオカメラとAI推論を融合した認識処理の性能向上に向けて、オンセミ社ののHyperluxイメージセンサ「AR0823AT」を採用することになった。この協業により「AR0823AT」に対するAI推論処理に最適な視覚データを取り込むための専用設計を可能とし、スバルが長年内製により蓄積してきたステレオカメラによる認識技術をさらに向上させるとしている。
つまり、ステレオカメラによる画像認識・識別性能を向上させるためには、単なる画像による物体検知ではなく、カメラで検知された物体をAI推論により、危険物か、安全なのかを判別しようということである。
そういう意味で、AI推論を内蔵するイメージセンサーは、次世代アイサイトにとって必須となっているのである。