スバルは2022年4月14日、北米市場向けの主力車種アウトバックを改良し、一部グレードに運転支援システム「アイサイト」の認識能力を強化する広角単眼カメラを新たに追加採用したと発表した。なおこの2023年モデルとなる新型アウトバックは、4月13日に開幕したニューヨーク国際モーターショーに出展されている。
従来のアイサイトに追加して新採用した広角単眼カメラは、アイサイトのステレオカメラに加わるもう一つの眼として機能するもので、ステレオカメラよりもさらに広い範囲を認識できることが特長だ。
レヴォーグから採用されたヴィオニア社製の新世代アイサイトは、従来の日立製のアイサイト用ステレオカメラに比べ視野を広角化させているものの、基本的にステレオカメラによる前方の対物距離を測定する機能を持つため、広角化には限度がある。
しかし、現在では車両側方からの歩行者、自転車、交差点での右左折時の側方の障害物検知能力が従来よりさらに要求されるようになってきている。そのため、より広角な視界を持つワイドビューの単眼カメラを追加したのだ。
これにより、歩行者や自転車の認識性能を高めるとともに、認識した情報をアイサイトのシステムと連携して処理することで、低速で交差点に進入する際の横断自転車や歩行者との衝突回避や、万が一、衝突してしまった場合の被害軽減を支援する機能が向上している。
なお現在のアイサイトの制御には、きわめて拡張性が高く柔軟なザイリンクス社製のFPGA(Field Programmable Gate Array)タイプのマルチプロセッサを採用していることで、スバル独自に広角単眼カメラの対物検知機能を追加して統合制御することが可能になっているのだ。
今回の改良されたアウトバックは、アイサイトの安全機能の他にも、インフォテインメント機能も改良したアウトバックは、2023年モデルとして2022年秋にアメリカで販売を開始する予定となっている。