2014年4月18日、スバルはニューヨークモーターショーでアメリカ仕様の新型「アウトバック」を初公開した。そのルックスは一段と伸びやかでミドルクラス・クロスオーバーらしいタフさと両立させている。
今回の新型アウトバックは歴代のアウトバックがそうであったように乗用車、SUV、ステーションワゴンというカテゴリーの車両の長所を融合するというクロスオーバーコンセプトを受け継ぎ、今まで築いてきた評価をより一層強固なものとするため、走りや環境性能、新型アイサイトや後側方視界支援機能といった安全性能などの機能を一段と充実させ、デザインや質感といったエモーショナルな価値も磨き上げている。
デザインはスバルのフラッグシップクロスオーバーモデルにふさわしい質感と高い機能性を表現することを目指し、デザインテーマは「“アウトバック”を極める」とされた。乗用車ステーションワゴンとSUVの長所を併せ持つ特徴的なシルエットと大きなロードクリアランス、一目でライフスタイルを連想させるタフ&ラギッドなスタイリングとしている。
基本プロポーションは広く快適なキャビンを継続しつつ、ダイナミックで安心感を伴うボディ造形とサイズアップしたタイヤ、張りのあるフェンダーパネルによりダイナミックさや強さを表現。造り込まれた表情豊かなボディ面は、フラッグシップに相応しい品質と車格感を備えている。
インテリアは「コンフォート&スポーティ」をデザインテーマとし、上質さ、快適さを格段に向上させ、スポーティなドライバーズエリアや充実したインフォテイメントを提供する新世代インテリアを実現。メーター中央のディスプレィには大型のカラー液晶パネルを搭載し、さらに上級仕様ではメーター部にブルーリング照明を採用。センターパネル部には、直感的なタッチ操作が可能でワイド&フラットなセンターディスプレイを装備している。また、フラッグシップクロスオーバーに相応しいインテリア品質として各部の素材や触感にこだわり、ソフトパッド化されたダッシュボードやクッション厚を増したアームレスト、ドアグリップの断面や触感にまで配慮を加えている。
パッケージングでは基本スペックは車両の取り回し性能に影響しないレベルの拡大に留め、ドア構造の合理化、ドアサッシュの薄肉化やルーフ部車体骨格の見直しなどで、より空間を確保。特に乗員の肩、肘、腰まわりの空間、後席の足元スペースを拡大している。
リヤゲートはパワーリヤゲートを採用し、電動で開閉可能にするとともに、任意の開度設定メモリー機能や、反転機能を採用することで、ルーフキャリアに長尺物を積載した時のリヤゲート開閉などを便利にしている。またルーフレールはクロスバータイプとしロープフックを新採用し、自転車などをルーフに積み込む際に足を置くことのできるステップをサイドシル上面に設定している。
クラスを超えた走りの性能を目指し、シャシー、ステアリング、サスペンション、ブレーキなど各所を見直し、たっぷりしたロードクリアランスと操縦安定性をさらに高い次元で両立。乗り心地についてもランク上の上質な走りを実現している。サスペンションはフリクションを低減し、スタビライザーの効率を向上させ操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立することで1ランク上にまで高めている。特にリヤサスペンションの車体への取付部の剛性を高めるためにフレーム形状を一新し、乗り心地の向上とフロア、シートの振動を低減。
ステアリングはギヤ比を従来型の16.5:1から14.0:1に高め、ダイレクト感と俊敏性を向上。軽量小型・高出力のコントロールユニット内蔵電動パワーステアリングを採用し、モーター出力のアップと細かなモーター制御を行なうことで正確かつ自然な操舵感を実現している。またシャシー制御としてアクティブトルクベクタリングを採用し、旋回性能、操舵応答性の向上を図っている。さらにAWD制御では、新たに「X-MODE」を採用し、走破性を向上させている。
搭載エンジンは、2.5L・水平対向4気筒(FB25型)自然吸気エンジンと、3.6L・水平対向6気筒(EZ36型)自然吸気エンジンの2種類を設定。FB25型は中速トルクを上げ、実用域での扱い易さや軽快な走りを実現。EZ36型はドライバビリティと燃費の向上を図っている。トランスミッションはいずれもリニアトロニックCVTで、2.5L用は6速マニュアルモード付き、3.6L用は高トルク対応型で、6速マニュアルモード付きデュアル、いずれもパドルシフトを備えている。
安全・ドライバー支援システムとしては、アイサイトver3や、BSD(Blind Spot Detection:死角検知機能)、LCA(Lane Change Assist:車線変更支援)・RCTA(Rear Cross Traffic Alert:後退時支援)から成る後側方視界支援機能、さらにコーナーの曲がり方向に合わせて前方の夜間視界を確保し易くするSRF (Steering Responsive Fog Lights)を新採用している。