スバルは2012年9月25日、「インプレッサXV」を発表した。このXVは先代に続いての投入となるが、今回はより独立性を高めたポジションが与えられ、デザインもインプレッサ標準モデルとはいっそう差別化された。また世界的に伸張しつつあるクロスオーバーカーのコンパクト市場へのスバルの戦略車として、世界各国ではすでに発売済みで、ようやく日本国内でもデビューを迎えた。発売は10月5日からとなっている。
スバルのクロスオーバーカーは1995年のレガシィグランドワゴン(海外名アウトバック)を皮切りに、1997年のフォレスターと続き、先代インプレッサのXVも2010年にシリーズに追加されている。しかしながら今回の新型のXVはより独立性を高めたモデルとして、2011年の上海ショーでプロトタイプがお披露目され、同じく2011年のフランクフルトショーで市販車がワールドプレミアされた経緯がある。したがってニュースリリースには「インプレッサXV」と正式名が記載されているが、カタログでは「スバルXV」で統一されており、“インプレッサ”という文字は見当たらない。
新型XVの商品コンセプトは「Urban Adventure」で、都市型クロスオーバーSUVとしてターゲットユーザーに、ふだんは都会に暮らす人たちだ。日常的には乗用車として便利に使いたいが、時々はアウトドアや旅行でも頼りになる存在を目指して開発。プロダクトの特徴として、将来の世界基準をクリアする15.8km/Lという優れた燃費性能とともに、「スマートで力強いデザイン」「運動性能と安全性能の両立」「都会に適したスペック」という3つがキーワードになっている。
「今回は世界統一のデザインです」と担当者が自負するのは、200mmという最低地上高を持ちながらも、きわめて薄くスリムな印象のボディシルエットを実現したことだろう。専用の17インチアルミホイールはシルバーのスポーク部分と周囲のコントラストが鮮やかな渾身の自信作。ホイールアーチやサイドシルに設けたクラッディングも力強さを表現している。個性を主張するタンジェリンオレンジ・パールとデザートカーキの専用色を含めて、ボディカラーには全9色が用意されている。
パッケージ面では、特に都市部での使い勝手を重視したディメンションに注目したい。まずはメーカーオプションのルーフレールなしを選択すれば全高は1550mmとなり、ほとんどのタワーパーキングに入庫可能なスペックとした。またフロアとの段差が低いサイドシル、SUVならではの低い着座位置で優れた乗降性を実現。さらに高さを抑えたインストルメントパネルやドア窓肩部、フロントドアに設けたパーティションウインドウや視界を遮らないAピラーなどにより、良好な視界を確保して開放感を高めている。
メカニズム面は基本的に新型インプレッサに準じている。エンジンは2.0Lの新世代BOXER4、トランスミッションはチェーン式の無段変速機であるリニアトロニックを搭載。フロントの16インチディスクブレーキやブレーキアシスト機能とともに、制動性能の向上を図っている。また坂道発進時にペダルを離しても後退しないヒルスタートアシスト機能を全車に採用。レガシィをはじめスバル車で好評な先進運転システムの「EyeSight(バージョン2)」を最上級グレードに標準装備とした。
【インプレッサXV2.0i-L EyeSight主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4450×1780×1550
ホイールベース(mm):2640
車両重量(kg):1390
総排気量(cc):1985
エンジン:FB20型・水平対向4気筒DOHC
最高出力 :110kW(150ps)/ 6200rpm
最大トルク :196Nm(20.0kgm)/ 4200rpm
JC08モード燃費(km/L):15.8
駆動方式:AWD
トランスミッション:6速 マニュアルモード付きリニアトロニック
サスペンション:ストラット/ダブルウイッシュボーン
タイヤサイズ:225/55R17