新型フォレスター経済性の2.0LNAと2.5LターボのスーパースポーツSUV動画付き試乗記

マニアック評価vol24
先ごろマイナーチェンジされたスバルの新型フォレスターだが、そのトピックは2.0Lのエンジンが新設計のFB20型になったことと、2.5Lターボ(EJ型)のS-Editionがモデル追加されたことだ。なお、2.0Lターボは従来どおりEJ20型エンジンを搭載して継続販売される。

新2.0Lの自然吸気エンジンは、今後、スバルの中心的存在になるエンジンで、その最初のステップがこのフォレスター用だ。燃焼室をコンパクトにし、燃焼効率をあげるなど基本性能を徹底的に高効率化し、省燃費にも貢献する新エンジンは、フォレスターが初めての搭載となる。

frontrear

↑2.0XSグレード。新型FBエンジン搭載モデル。

今回はマイナーチェンジなので、プラットフォームなどに変更はなく、従来と同じくSIシャシーが引き続き採用され、フロントストラット、リヤがダブルウイッシュボーンという構成にかわりはない。ミッションは高効率を謳うリニアトロニックというスバル独自のCVT(チェーン式)があるだけに、4ATのままであることは少し気になる。これは、CVTはATよりもサイズが太いため、現状のプラットフォームでは積めないという事情があるようだ。しかし、走ってみると100km/h巡航時のエンジン回転数は2200rpm付近であり、5ATと同じギヤ設定であった。

しかしながら、燃費性能においては、SUV2.0Lクラスのトップレベルの燃費、15.0km/Lを達成している。実際、走行においても4ATであることが、何かのマイナスとなっているとは感じることはない。0km/h〜100km/h加速は、旧モデルより0.2秒速く13.1秒で達する。アクセル全開性能の向上のほかに、クルマの動き出しの軽快感を追求した変更を行ってきている。スロットル開度が10%程度のとき、25%程度のとき、つまり、アクセルをちょっと踏んだときに、スゥ〜と動く軽快さを作ってきたのである。市街地で動き出しに対する不満は存在しないだろう。

148ps/6000rpm、196Nm/4200rpmというスペックは、驚くほどの動力性能ではないが、フォレスターの2.0Lクラスは経済性を重視したグレードでもあることから、十分な出力をもっていると言っていいだろう。それよりも、繰り返すがクラストップレベルの低燃費を高く評価したい。

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↑FB20型はNAの省燃費設計エンジン

サスペンションを含むシャシーはキャリーオーバーではあるが、ダンパー減衰力やばね特性の見直し、サブフレームブッシュ、そしてばね特性の最適化などが行われ、よりフラットな乗り心地になっている。ハンドルを切った瞬間に旋回をはじめ、ハンドルを切った分だけ曲がるという、一見当たり前のようなことが見事に再現できているハンドリングだ。高速安定性もよく乗用車とそん色なく、SUVの背高であるネガな部分は顔をまったくださない。

エクステリアの変更ではグリルデザインが変更されている。また、2.0Xグレードをのぞき、リヤルーフスポーラーの装備やLEDサイドターンランプ付きドアミラーになっている。そして17インチの新デザインのアルミホイールが加わった。インテリアでは左右独立温度調整機能付オートエアコンやインパネの塗装や加飾パネルの色変更などが行われている。

このように2.0LNAモデルに関しては、やはりエンジンがまったくの新開発エンジンに変更されたことがトピックであり、その繰安性や乗り心地にも磨きがかかった仕上がりになっているのがポイントだろう。

2.5LターボのS-EDITIONがグレード追加

S-EDITIONは2.5Lターボエンジンを搭載し、こちらはマニュアルモード付き5ATとなっている。狙いはSUVでもスポーツ走行性やハイパワー志向のユーザー向けに、追加されたモデルだ。もともと先代のフォレスターには2.5Lターボモデルが存在し、輸出モデルにもあったが、国内モデルに限りラインアップされなかったのだから、追加されて当然といえば当然なのかもしれない。

2.5Lturbo

↑EJ25型ターボエンジンを搭載

先代のSG型輸出モデル2.5Lターボは230ps、32.6kgm(カタログモデルではないSTIバージョンでは265ps、38.5kgm)であったが、SH型2.0Lターボ(EJ型)でも230ps、32.5kgmであり、その出力差はほとんどなくなっていた。しかし今回復活した2.5Lターボモデルは263ps、35.4kg・mまで高められており、継続販売される2.0Lターボをかなり上回る出力となっている。

2.0Lターボの0km/h〜100km/h加速が7.2秒であるのに対し、2.5Lターボは6.5秒、0m〜400m加速も15.2秒に対して、14.8秒というレベルまでパワーアップされている。そして、パドルシフト付き5速ATにはブリッピング機能があるので、スポーツマインドあふれ、スポーツドライブが楽しいSUVと感じる。

サスペンションでもS-EDTION用にスペシャルなパーツが組み込まれている。減衰力の応答性を向上させた新バルブ機構のダンパーを前後に採用し、ハイパワーをしっかり支えるスポーティなサスペンションとなっている。2.0Lモデルの乗り心地とは明らかに異なっており、乗り心地も繰安性もスポーティな仕上がりになっている。

ライバルとなるCRVやXトレイル、RAV4と比較しても、突出した運動性能をもった小型SUVスポーツモデルといえる。ステアリングの応答性が高く、ハンドルを切った瞬間にノーズは回頭し、旋回をはじめるその動きは、スポーツカーライクなイメージを味わうことができる。だから、このハンドリングのよさは、ライバルたちに対し大きなアドバンテージを持っていると言っていいだろう。

エクステリアではフロントグリルがブラックメッキの専用グリルとなり、2.0LターボモデルのXTとの差別化がされている。そしてSTI製17インチアルミホイールやS-EDITIONの専用エンブレムがリヤゲートに付く。インテリアでも240km/hの専用メーターや専用シフトノブがあり、ブルーを基調とした上質でスポーティな内装になっている。

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文:編集部 高橋明

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