2013年12月11日、日産はSUVの「エクストレイル」をフルモデルチェンジし、12月16日から発売すると発表した。新型「エクストレイル」は従来からのアウトドアスポーツを楽しむ若者をターゲットしたコンセプトを継承しながらボディサイズをアップし、3列シート車も新たに設定している。この新型「エクストレイル」は日産自動車九州株式会社で生産される。
新型エクストレイルのエンジンは 2.0LのMR20DD型エンジンにCVTを組み合わせた設定のみとなり、従来型のディーゼルエンジン車は当面併売され、1年以内にディーゼルエンジンに替えて1モーター/2クラッチ式のハイブリッドモデルを投入する予定とされている。
なおエクストレイルの発表会では、アウトドアスポーツシーンでのタフなSUVのイメージを強調するため、プロ・スノーボード選手(スロープスタイル)の角野友基がイメージキャラクターとして登場した。新型エクストレイルは、2WDモデルもラインアップしているものの、これまでの路線を継承しクロスオーバーSUVではなく本格的なSUVであることを訴求している。同時に、低燃費技術の採用により、SUVとしての走行性能とクラスNo.1の燃費16.4km/L(2WDもデル。4WDモデルは16.0km/L)を両立させている。
4WDシステムの「ALL MODE 4×4-i」は、従来通りヒルスタートアシスト、アドバンスドヒルディセントコントロール、ヨーモーメントコントロール(コーナリング時の前後駆動トルク可変配分)機能をmの採用に加え、世界初の「アクティブライドコントロール」(エンジン駆動トルクを増減させることでボディをフラットに制御する機能)、「アクティブエンジンブレーキ」(凹凸路でコーナリング進入時にCVT制御で積極的にエンジンブレーキを引き出す機能)、「コーナリングスタビリティアシスト」(独立自動ブレーキによるトルクベクタリング機能)といった新たな技術を全車に採用し、乗りごこち、運転のしやすさ、安全性などを向上。なおこれらの新技術はいずれも従来のメカニズムに制御ソフトを付加して新機能を引き出している。
ボディは全長4640mm、全幅1820mm、全高1710~1715mm、ホイールベース2705mmと、全幅、全高、ホイールベースをやや拡大させているが車両重量はほぼ同等になっている。SUVとしてのユーティリティは、これまで同様の防水フロアシートなどは継承し、荷物のサイズや種類に合わせて自由自在に空間を仕切ることができる防水フレキシブルラゲッジを採用。またポケットやカップホルダー等の収納スペースを増やしている。またインテリジェントキーを持っていれば手や物をセンサーにかざすだけで樹脂製バックドアが開く、ハンズフリー機能付きリモコンオートバックドアをオプションで新設定。さらに新開発の前席、セカンドシートは新開発されたシート形状のスパイナルサポート機能付シートを採用し、長距離移動の疲労を軽減。パッケージングとしては5人乗りの2列シート車に加え、7人乗りの3列シート車を新設定している。
ついにエクストレイルもカメラを使用しクルマや人間を認識する「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「LDW(車線逸脱警報)」、「進入禁止標識検知」をパッケージにした「エマージェンシーブレーキ パッケージ」グレードを設定。さらに「BSW(後側方車両検知警報)」、「ふらつき警報」もオプション設定されている。また、日産車として初採用のアラウンドビューカメラを使用したインテリジェントパーキングアシストは、ドライバーがステアリング操作を行なわずに車庫入れや縦列駐車ができる。
搭載エンジンは直噴MR20DD型エンジンにアイドリングストップ、変速比幅を拡大するとともにリニアに変速する特性の新型エクストロニックCVTを組み合わせている。なおアイドリングストップの再始動にはECOモーター(オルタネーター駆動)方式を採用している。
また、新型エクストレイルの発売と同時に、よりタフイメージを強化した「エクストリーマーX」を設定した。オーテックジャパンのフロントオーバーライダーやアンダーカバー、専用の大型フロントフォグランプやアルミホイールなどを装備した「エクストリーマーX」も同時に発売される。このモデルはオーテックジャパン扱いで持ち込み登録となる。
↑オーテックジャパンがプロデュースする「エクストリーマーX」