日産自動車は2016年3月28日、スカイラインの全グレードにエマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)をはじめとした、最先端の安全装備である「全方位運転支援システム」を標準化し、4月18日より全国一斉に発売する。
現行スカイライン(V37型)は2014年2月の国内発売以降、数々の先進技術やダイナミックかつエレガントなデザイン、全方位の安全性能などが評価されてきた。
今回の一部仕様向上では、350GT HYBRID/350GT FOUR HYBRID/200GT-tの全グレードに、全方位運転支援システムを標準化。このシステムは、さまざまな運転シーンにおいて最高峰の衝突回避性能を有するとともに、多彩な安全技術で安心ドライブをサポートするものである。
前方の安全支援については、衝突の危険があるとシステムが判断した場合にメーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促し、さらに、万一ドライバーが安全に減速できなかった場合には緊急ブレーキを作動させて、衝突を回避または衝突時の被害や傷害を軽減させるエマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)と、自車から見えない2台前を走る車両の状況を検知して、自車の減速が必要と判断した場合にディスプレイとブザーによる警報でドライバーに注意を促すPFCW(前方衝突予測警告)、高速道路などでの長距離ドライブ時にドライバーの疲労を低減するインテリジェントクルーズコントロールなどを搭載している。
次に側方の安全支援については、死角になりやすい後側方にいる車両を検知して、インジケーターでドライバーにお知らせするBSW(後側方車両検知警報)、後側方に車両がいるときにレーンチェンジを開始すると、インジケーターとブザーで警報を発するとともに、接触を回避するよう車両を元のレーンに戻す操作を支援するBSI(後側方衝突防止支援システム)を搭載している。
さらに後方の安全支援については、バックで駐車場を出るときなどに接近する車両を検知してインジケーターやディスプレイの表示とともに音でドライバーに注意喚起し、さらに後退している最中に車両が接近した場合に衝突を回避するよう運転操作を支援するBCI(後退時衝突防止支援システム)を搭載している。
なお全方向への安全支援として、車両の周囲を表示するとともに、周囲の移動物を検知しドライバーに注意を喚起するMOD(移動物検知)機能付きのアラウンドビューモニターも搭載している。
2020年までに自動運転技術の段階的な実用化を目指している日産は、その自動運転につながる要素技術である認知技術や操作自動化技術を活用し、これらの技術がもたらす安全性をより多くのユーザーに届けるため、エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)の採用車種を拡大している。今回のスカイラインのほかに、デイズ/デイズルークス、ノート、ジューク、エクストレイル、セレナ、日産リーフ、ティアナ、フーガについては全グレードに標準装備化を果たしている。