日産自動車は、2014年5月26日、「スカイライン」に高出力・低燃費・軽量なターボチャージャー付ガソリンエンジンを搭載した「スカイライン 200GT-t」を追加し、6月5日より全国一斉に発売する。
新型スカイライン(V37型)は欧米、中国をはじめグローバルで販売されるモデルで、プレミアムセダンのど真ん中に投入されるモデルだ。ライバルはミッドサイズのBMWや、アウディ、メルセデス・ベンツなどだ。国内では2014年2月に3.5L・V6+ハイブリッドの350GTハイブリッドが発表され4月時点で5289台の受注があり、今回の次世代2.0L+ターボエンジン搭載でさらに、販売台数の拡大を狙う。販売台数目標は200台/月。ハイブリッドも合わせ年間5000台を目標としている。
この新しいエンジンはダイムラー・ベンツ設計の日産米国工場製造というアライアンスから誕生したもので、この新ユニットの追加により、スカイラインのパワートレーンは、ハイブリッドに加え2種類となった。なお、トランスミッションもダイムラー・ベンツの7速ATを搭載している。
今回搭載したターボチャージャー付ガソリン2.0L・直4直噴エンジンは、排気量をダウンサイズし燃費性能の向上を図りながら、高い動力性能(最高出力155kW (211ps)/)を実現し、JC08モード13.6km/Lで、前型スカイライン(250GT, 250GT TypeS)と比べて燃費は約20%向上している。なお、このエンジン(274930型)は、メルセデスEクラスのE250に搭載されているM274型である。
排気量を抑えながら、ノンターボ2.5Lエンジンに匹敵する力強さと加速性能を発揮している。また、7速ATは、各速度のギヤ比を近づけることでよりスムーズで高効率な変速を実現する。また、スカイライン・ハイブリッドで話題となったバイワイヤーの「ダイレクト アダプティブ ステアリング」は2014年秋からメーカーオプションとして設定され、今回採用されたのは電動油圧パワーステアリング(車速感応式)としている。
このパワーステアリングは、電子制御によりモーターの回転速度を変え、油圧ポンプを調整して操舵力を変化させる。舵角や舵角速度を制御し、低速域ではマイルドに、高速域ではよりスムーズでリニアなハンドリングとなるように制御されている。さらにハイブリッド車と同様の新開発リヤサスペンションを採用することで、操縦安定性も高めている。
ハイブリッド車と同様に、スカイライン 200GT-tにもドライブモードセレクターを採用した。カスタマイズ設定やメニューが多数あり、PERSONALモードは12通り(ハイブリッドは96通り)から選択できる。好みに合わせて設定することで、自分用にカスタマイズし、走りを楽しむことができる。
スカイライン 200GT-tのラゲッジ容量は実容量500Lと、クラストップレベルの大容量を実現しており、9インチのゴルフバッグは4本、特Aのスーツケースは2つ収納することが可能。また、リヤセンターアームレストスルー機構を全車で標準採用するとともに、メーカーオプションでリヤ可倒式シートを設定したことで、長尺物の積載も可能となる
スカイライン200GT-t価格表