日産は2020年2月25日、軽自動車スーパーハイトワゴンの新型「ルークス」を発表した。発売は3月19日から開始される。また車名は従来の「デイズ・ルークス」から「ルークス」に改称されている。
商品概要
新型ルークスのホイールベースは2495mmで、従来型と比べ65mm延長され、またBピラーの位置を前進させることで、リヤスライドドアの開口面積を650mmと最大化している。このスライドドアは、上級グレードではセレナと同様の片足を車体の下にかざすだけで、自動で開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」を両側共に採用しており、荷物で両手が塞がっていても楽にドアを開閉することができる。
また助手席側のスライドドア下部に装着できる「オートステップ」をオプション設定するなど、高齢者にも配慮している。
フロントシートの着座位置は60mmアップされており、よりアップライトな運転姿勢とし、リヤ席の居住性を拡大。リヤ席の膝周りのスペースは795mmと大型リムジンを凌ぐ広さを実現した。
リヤ席は最大320mmスライドできるロングスライドが可能で、リヤ席を前方にスライドすると運転席に座ったまま、後席に座っている幼児に触れることができる。
さらにリヤ席はロングスライドするため、リヤのラゲッジスペースも自在に確保でき。リヤ・シートバックの片側を畳むと、自転車も積載可能。リヤの室内高は1400mmを確保しており、子供が立った状態で着替えができるスペースとしている。なお、全高はFFモデルが1780mm、4WDモデルは1800mmだ。
デザイン
ボディはボンネット高を高くし、サイドのショルダー・ラインをそれに合わせて高めにすることでしっかり感、安定感のあるフォルムとなっている。またパネルの合わせ目などを極力目立ないように工夫することで、軽自動車とは思えない質感を実現している。
より個性的なハイウェイスターのデザイン
ハイウェイスター・シリーズのエクステリアは、フロント・グリルのサイズが大きく、堂々とし、どっしりとした存在感を備えている。一方、スタンダード・シリーズは、小型のフロント・グリルで、上品で洗練されたモダン、かつシンプルな仕上げとしている。
インテリアは、ハイウェイスター・シリーズは、洗練さと直感的な使い勝手のよさを追求。軽自動車クラスを超える質感としている。スタンダードシリーズは、明るいグレージュの内装色によりリラックス感のある室内空間としている。
オプション・インテリアでは、ブラックとモカをベースとしたスタイリッシュなコーディネーションとなり、ソフトな触感のインスツルメントパネルも設定。
ボディカラーは、2トーンが5色、1トーンが12色と多彩なカラーバリエーションをラインアップ。また今回、スタンダードシリーズの「セレニティゴールド」、ハイウェイスター・シリーズの、「アメジストパープル」と「アトランティックブルー」の3色は新色で、軽自動車のクラスを超えた質感となっている。
進化したプロパイロット
デイズと同様の運転支援技術「プロパイロット」装備モデルを設定しているが、プロパイロットがより進化した。従来の単眼カメラのみから単眼カメラ+ミリ波レーダーの組み合わせへとアップグレードさせているのだ。
このミリ波レーダーは先行車のさらに前方のクルマの加減速も地面反射波を利用して検知できる能力を持ち、より遠くの先行車の状況をより早く検知し、スムーズな制御が可能になっている。また、この機能を利用し、2台前のクルマが急減速した場合などは警報によってドライバーに注意を促す「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」機能を軽自動車として初めて採用している。
上級グレードは、前走車、対向車に自動で減光する「アダプティブLEDヘッドライトシステム」や、前方の車両進入禁止標識、最高速度標識、一時停止標識の3つの標識を検知する「標識検知機能」、「インテリジェントDA(ふらつき警報)」、「先行車発進お知らせ」などを搭載している。
もちろんプロパイロットの渋滞対応アダプティブ・クルーズコントロールは、全車速でステアリングアシストが可能で、依然として軽自動車で最高レベルの運転支援システムとなっている。
その他の安全機能では、ハイウェイスター・シリーズには通信常時接続を利用した「SOSコール」も標準装備している。
グレードとパワートレーン
グレードは、スタンダード・シリーズがS、Xの2機種、ハイウェイスター・シリーズがX、Xプロパイロット・エディション、ターボエンジン搭載のGプロパイロット・エディションの5グレードを設定。
4WDモデルも同様のグレード展開で、合計10機種をラインアップしている。ちなみにプロパイロットの非搭載モデルと搭載モデルの価格差は約10万円となっている。
パワートレーンは、デイズと同様に「BR06-SM21」型エンジンを搭載。自然吸気仕様は52ps/60Nm、ターボ仕様は64ps/100Nmを発生する。いずれもエクストロニックCVTと組み合わせている。
また全グレードが2.7ps/40Nmのスターター/ジェネレーター、リチウムイオン・バッテリーを搭載するマイルドハイブリッド・システムを採用している。燃費は、WLTCモードで20.8km/L〜18.2km/h。
新型「ルークス」は、軽自動車市場の約50%を占めるスーパーハイトワゴンの中でナンバーワンを目指して開発され、より広く、使い勝手の良い室内空間、進化したプロパイロットを設定している。
もちろん新型「ルークス」も三菱との合弁会社「NMKV」の企画により登場し、「デイズ」と同様に日産が開発、三菱が生産するという枠組みは同じだ。
【価格】
ルークスオーテック
新型ルークスの発売に合わせ、オーテックジャパンは、新型「ルークスオーテック」、福祉車両の「ライフケアビークル(LV)」シリーズを3月19日から発売する。
「ルークスオーテック」は、スポーティでありながら高級感が漂うスタイリングをアピールするカスタム仕様モデルだ。なお「ルークスオーテック」は、「セレナ、ノート、エクストレイル、リーフに続く「オーテックH」ブランドの第5弾となる。
エクステリアは、オーテック・ブランド共通のドットパターンのフロントグリルを採用。また、フロントバンパーにアドオンしたアクセント、ドアミラー、ドアハンドルをシルバーカラーとしたほか、専用デザインのアルミホイールを採用することで、上質さと洗練さを強調している。
インテリアは、ブラウンとアイボリーのコントラストのある2色を配色し、シート地、インスツルメントパネルにレザー調素材を採用することで、上質な心地よい室内空間としている。また、シート、インパネ、専用カラーの本革巻ステアリングにはブルーステッチを加えている。
ボディカラーは、「アトランティックブルー」、「アッシュブラウン」、「ホワイトパール」のそれぞれに、「ブラック」のルーフを組合わせた「オーテック」専用の3つの2トーンカラーを含む、全9色を設定。
【価格】
ライフケア・ビークル(福祉車両)
「ルークス ライフケアビークル(LV)」シリーズは、ベース車の広い室内空間を活かして、個人用だけでなく、福祉施設・病院などのニーズにも対応するバリエーションを設定。
助手席スライドアップシート仕様は、助手席が車両の外側に電動で回転・昇降することで、乗り降りが容易にできる車両となっている。
送迎タイプは、福祉施設や病院など、少人数や住宅地の狭い道での送迎時に、利用者がスムースに乗り降りし、走行中もより安心して乗車ができるよう工夫を施した仕様となっている。今回、NV350キャラバン、セレナで設定している「送迎タイプ」を軽自動車に初めて設定した。
助手席側スライドドア部には握りやすい大型乗降用グリップを、また後席用に走行中に体を支えることができるグリップを装備。また汚れが簡単に拭き取れる防水シートやラゲッジトレイを採用。
そのほか、乗車時に利用者の杖を容易に収納できる杖立てや、荷室に歩行器や車いすを固定できるゴムネットを搭載。さらにオートステップや助手席スライドアップシートなどもオプション設定している。
【価格】
助手席スライドアップ
送迎タイプ
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