日産リーフ 環境車だって、おもっきりジムカーナ!!

マニアック評価vol443
ピュアEVの日産リーフは2011年に発売され、2015年12月にマイナーチェンジを行なった。MMCのポイントとなるのはバッテリーの進化に伴う航続距離の延長と耐久性能、そして充実した安全装備などが挙げられるが、今回リーフの運動性能の良さにも焦点を当てた体験ジムカーナ試乗会があった。

2015年11月のマイナーチェンジの詳細はこちらで解説しているが、リーフはこれまで24kWhの出力が、30kWhへと向上。その結果航続距離が約230kmだったものを280kmまで延ばすことができた。それと、耐久性にも進化があり、これまで5年10万km保証していたバッテリー寿命を8年16万kmまで保証されることになった。

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リーフをベースにしたラリー車を参考展示
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ラリー車リーフ。EV車だからシフトレバーはない
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ものものしいが音もなく静かに走る

また、充電時間の短縮もある。満充電に近づくにつれ、充電される割合が徐々に少なくなるが、その点に改善が見られ旧タイプと比較して同じ時間の充電でも容量が30%多く充電できるようになった。これらの改善は従来のバッテリーと同サイズのままで改善されている。

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充電スポットは20kmごとに最新のデータに自動更新する

それと、充電ステーションを示すナビ関連も利便性があがっている。装備する通信機能により、常に新しい情報が得られるようになったため、従来、自宅周辺の充電スポットは自動更新されていたものの、遠出した際のスポットは手動で更新しなければならなかった。それが、今回のMMCで20kmごとに自動更新されるようになり、つまり、どこを走っていても常に最新のスポット情報が得られるようになったわけだ。

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充電インフラ整備も急速に増え続けている

これまで高速道路でもサービスエリアにしかなかった急速充電設備が、かなりの速度で増設され続けパーキングエリアにも設置されているのを見かけるようになった。さらに、従来からあるサービスエリアでは複数台が設置されていることも珍しくなくなった。

これは急速にインフラ整備が行なわれている証拠でもあり、その整備をすぐに反映できるナビ機能へと進化しているわけだ。2015年12月現在、全国で急速充電は6000基、普通充電が1万1000基もあり、合計1万7000基の充電インフラが整っているのだ。

■試乗レポート&体験ジムカーナ

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コース説明をする日産実験部の河本氏。全日本ジムカーナチャンピオンにもなっている
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21媒体、17名のジャーナリストが参加。AutoProveは38名中の5位。まずまずの好成績

さて、試乗したのは延長した航続距離の体験ではなく、リーフの特徴でもある低重心がもたらす操安性能の高さ、バッテリー駆動によるゼロ発進からの加速性能などを分かりやすく体験できるものだった。

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本格的にちゃんとタイムも計測

比較試乗としてノートのガソリンFFモデルにも試乗し、ジムカーナコースでタイムトライアルを行なった。その後リーフでも同様の体験をし、いずれもリーフのほうが大幅にタイムは速く、運動性能、加速性能のメリットを体験するイベントだった。

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タイムトライアルだと、意外とムキになる

リーフのほうが速いその理由は、重量物のバッテリーがクルマの中央、フロア下に収納されているため、ヨー慣性モーメントが小さくなり、かつ重心も下がるため安定性も高くなる。そしてノーズの入りも良くなり、回頭性が上がることが挙げられる。そしてモーターの特性である、トルクの立ち上がりが初期から最大トルクを出力するので、ジムカーナのようなゴーストップの多い場面ではエンジン車との違いが際立つわけだ。

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ちなみにタイム計測では比較車のノートより2、3秒程度速い。コースは広い駐車場にパイロンを設置した簡易的なコースでおよそ60秒弱のタイムで走行。したがって、前述のようにハンドリングにもその違いは明確で、エンジン車とモーター車の特性の違いを存分に感じることができるイベントだった。

COTY
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