これぞまさに歴代最高のZ!日産 新型「フェアレディZ」試乗記

フェアレディZに試乗してきた。日産のテストコースがある北海道の陸別で、高速走行からワインディング走行をテスト。これほどまでに安定したシャシーに大満足の試乗テストとなった。

筆者 高橋と新型フェアレディZ

商品企画部の田村宏志氏は「時代の変化の中でいろいろなものが変化していくが、変えてはいけないものがある。新型フェアレディZは歴代最高のZとして「カッコよくて!」「ハヤくて!」「イイおと!」を磨き上げ、Zファンのための歴代最高のZです」とプレゼンテーションを行なった。そして「S30をもう一度」という思いも根底にはあると話した。

シューズカラーもイカズチイエローライクな田村さん

コンセプトは「ダンスパートナー」。GT-Rのように圧倒的なパワーとダイナミック性能でねじ伏せていくのではなく、ラップタイムを求めず風を切って走るダンスパートナーというワードだという。メインマーケットは北米で、日産をイメージさせるフラッグシップに位置付け、国内でも販売される。が、7月いっぱいで受注が終了するようで、バックオーダーが想定より多く抱えたということだ。再開については言及されていない。

最高の「Z」にするためのパワトレ

パワートレインはVR30DDTTでスカイライン400RのエンジンをZ用に改良して搭載。トランスミッションは6速MTとジャトコとの新開発9速ATをラインアップした。プラットフォームはキャリーオーバーながら、部品でいえば80%以上が新設計されているのが新型フェアレディZだ。

エンジンは最高のZに搭載するためにドライバビリティを中心に見直しが行なわれ、まず触媒、マフラーを変更して抜けを良くしている。その分過給圧を上げられスカイラインでは5200rpmまでがフラットトルクという特性だったが、400rpm伸び感を良くすることができている。そしてリサーキュレーションバルブを追加し、減速時に環流させてシフトレスポンスを良くしている。

また、スカイラインでは7速ATで適合していたものを今回の9速ATに適合させるために、過給圧を上げ、過給されないNA領域のトルクをバルブタイミングの最適化を行なってトルクを上げている。一方で9速ATは市街地などではレスポンスよく頻繁にギヤチェンジするというより、トルクを活かして粘るようなセッティングにしているという。

つまり、9速ATもVR30DDTTもドライビングフィールに集中した適合を行ない、かつ9速を活かし、トルクを活かす制御が入っている。またマニュアルミッションではダウンシフトの時の自動回転同期に磨きをかけ、ヒール&トーが不要な回転合わせが自動で行なうことができる。

スペック&グレード

VR30DDTTのスペックは、V型6気筒ツインターボの2997ccでボア・ストロークは86mm×86mmとスクエア。298kW(405ps)/6400rpm、475Nm/1600-5600rpmというスペックだ。プレミアムガソリン(ハイオク)対応で62Lタンクになっている。言うまでもなくFRの2シーターだ。

ボディサイズは全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mm、ホイールベース2550mmで、車重は標準車のMTが最軽量の1570kg、最重量が9速ATのversion STで1620kgとなっている。

グレード展開は、6MT車が「標準車」、「version S」、「version ST」で、9速ATは「標準車」、「version T」、そして「version ST」という構成になっている。グレードでの大きな違いはタイヤサイズが異なっている点だ。標準車と9ATのversion Tが前後同サイズの245/45-18インチを装着し、それ以外のグレードは前後異径サイズで、フロントが255/40-19、リヤが275/25-19になっている。

ダンスパートナーと陸別を走る

テスト試乗は日産が北海道陸別に持つテストコース。試乗車はATの標準車18インチ、MTのversion ST19インチだった。

8kmある高速周回路では180km/hの速度リミッターまでテストができた。また一般高速道路を想定した路面などでは静粛性や乗り心地のテストもできた。高速周回路からワインディング路のテストもでき、S字の切り返しの連続、2速から4速を使ったMT、ATのDモード、マニュアルモードでのワインディグ走行もできた。

スタートではローンチスタートがMT/AT双方に搭載されており、ATのみだが試すことができた。手順としてはドライブモードを「スポーツ」に設定し、左足でフットブレーキを踏み、パドルシフトの両方を同時に引く。そこからアクセルを全開で踏むと回転が上がったところでキープされ、6秒以内にスタートするとロケットスタートが楽しめるというものだ。

そして標準車以外にはサウンドクリエーターが搭載されており、フル加速時のサウンドは心地よい。ギミックと言う人もいると思うが、スピーカーからと気付かされないサウンドは欲しいアイテムだと思う。

スタート地点から全開加速をして高速周回路へ合流する。高速周回路はコースがストレートではないため、若干右にステアしたコーナリング状態で走行。160km/h付近からブレーキを踏み込んでいくと姿勢変化があるのかと思いきや、沈み込むように、そして操舵している方向のまま車速が落ちていく絶大な安心感があった。

ワインディングでのハイライトはアンジュレーションだ。これはMTでもATでもどちらも共通して安定している。最初は50-70km/hで走行し、左にステアしながらアンジュレーションエリアを通過するが、サスペンションの動きがよく、しなやかにいなしていく。ライントレースが外れることなくしっかりコーナリングは継続される。

さらに車速を上げ100km/h付近でアンジュレーションエリアに飛び込んでみても、車速が遅いときと同様、綺麗にいなしていくのだ。上屋は若干動かされるものの下半身はしっかり吸収し、4輪の接地感が失われることなく安定してコーナリングすることができる。ロングノーズでリヤ駆動というレイアウトからはフロントの接地感に課題か?など乗る前には想像していたが、そうした課題は微塵も感じられない4輪の接地感とニュートラルな特性を感じ、気持ちいい爽快感を味わうことができた。まさにダンスパートナーたる所以を感じるのだ。

テストコースの設定はかなりハードな設定だと思うが、これほど安定して思い通りに走行できるというフェアレディZのレベルの高さは気持ちよい。まさに歴代最高のZだ。そして車両の限界を超えた先でのコントロール性もいいだろう、ということも容易に想像できる。

S30の再来とか不変の価値など、オールドスクールなコンセプトが根底にあるものの、最新の制御技術によってデジタル感を感じさせない、いい意味でのアナログ感をもったクルマに仕上がっていると感じた。


The Mortor Weekly

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