日産自動車は2022年4月25日、新型「フェアレディZ」の全グレード展開とその価格を発表した。
新型フェアレディZは、まず2021年8月にアメリカでワールドプレミアを行ない、日本では今年1月に日本仕様を初公開するとともに、6月下旬に発売するとアナウンスした。そしていよいよ発売が迫り、ラインアップと価格が発表されたのだ。
新型フェアレディZの概要について、まずは搭載エンジンが3.0LのV型6気筒ターボで、最高出力405ps/最大トルク475Nmを発生する。このエンジンはスカイラインGT系のVR30DDTT型エンジンのアップデート版と予想される。トランスミッションは6速MTと、新開発の9速ATをラインアップ。
ニッサンのFRモデルとして始めて急発進加速の性能を極限まで高めるローンチ・コントロールを装備。
なおプラットフォームは、従来のZ43型系を継続使用しているが、大幅に改良を加えシャシー性能、運動性能を向上させている。
デザインは、伝統的な後輪駆動のスポーツカーデザインであるロングノーズ・ショートデッキとし、初代「フェアレディZ(S30型)」をはじめとする歴代「フェアレディZ」のディテールを生かしたエクステリアとしている。
ボディカラーは、モノトーン3色と、新色のセイランブルーとイカズチイエローを含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)の、合計9色を設定。
インテリアは、インストルメントパネルのセンターを、初代「フェアレディZ(S30型)」の3連サブメーターとエアコン吹き出し口、コントロールスイッチ類を積み上げた操作性に優れたデザインを現代的な技法で再構築。また、インストルメントパネル上の3連サブメーター(ブースト計、ターボ回転計、電圧計)は、歴代「フェアレディZ」同様の電圧計と走行中ターボの状態を把握できる2つのメーターを配置するなどヘリテージを感じさせるデザインとなっている。
一方で、メーターパネルは「アドバンスドドライブアシストディスプレイ(12.3インチカラーディスプレイ)」を採用し、ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードが設定されている。
シートは、NISMOの開発で培ったノウハウをにより、ホールド性とフィット感を向上させ、シートバックにスエードを採用することで、身体の横ブレを抑えている。なおインテリアカラーは、ブラックとレッドの2色を設定。
オーディオは8スピーカーのBOSEサウンドシステムを搭載することにより、プレミアムなオーディオサウンドを実現。また走行時には、リアルタイムにアクセルの踏み込み量・エンジン回転数・ギヤポジションなどの走行情報を読み取り、加速意図とクルマの挙動にシンクロさせた力強く伸びのあるスポーツ・エンジンサウンドを備えている。
発売時期は、今年1月に開催された東京オートサロン2022で発表した240台限定の特別仕様車「Proto Spec」と、量産カタログモデルともに夏頃の発売としている。当初は6月下旬の発売予定であったが、半導体不足などの影響でこうした発売遅れとなっている。
価格帯は500万円台前半からで、比較的少量生産のピュア・スポーツカーとしてはリーズナブルで、こういう点でもフェアレディZの伝統を守っているといえよう。