日産は2021年8月18日、ニューヨークで新型「Z」(アメリカ市場向けモデル)を初公開しました。日本ではこの新型「フェアレディZ」は2021年冬に発表予定であり、2022年春にまずアメリカで発売し、日本では2022年秋に発売されると予想されています。
アメリカ市場向けの新型「Z」には、「スポーツ」と「パフォーマンス」の2グレードを展開し、さらに導入記念の240台限定生産となる「プロトスペック」が設定されています。
両グレードとも3.0LのVR30DDTT型V6ツインターボ・エンジンが搭載され、6速マニュアルトランスミッションと、新開発の9速オートマチックトランスミッションを選択できます。また、「プロトスペック」には、専用の黄色いブレーキキャリパー(Zロゴ付)、ブロンズカラーのアルミホイール、黄色がアクセントの本革シートやトリムを採用しています。
搭載される新開発のVR30DDTT型3.0L V6ツインターボエンジンは、最高出力405ps、最大トルク475Nm/5600rpmを発生。
6速MTは、大トルクのエンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。また、新設計のシンクロナイザーの採用やシフトプロファイルの変更により、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジが可能です。
一方、新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを実現。また、変速モードは通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ポテンシャルを最大限に引き出すスポーツモードを選択できます。スポーツモードは、より速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードを俊敏に駆け抜けるのに最適な設定です。
また日産の後輪駆動車として初めて、エンジン回転数を保持し、停止状態からダッシュ加速できるアドバンスト・ローンチアシストコントロールシステムを採用。(AT全車、MT車は「パフォーマンス」グレードのみ)
パワーステアリングはラックアシスト式EPSを採用。より滑らかな操舵フィーリングとしています。サスペンションの前後のダンパーは、新設計の大径モノチューブ式を採用。減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを低減し、モノチューブ式の強みである高応答性を活かすことで路面追従性を向上させ、高い操縦安定性を実現しています。
アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロント サスペンションは、キャスター角を増やすなどしてジオメトリーを変更し、直進安定性を向上させています。
デザインは、従来のフェアレディZのフォルムやディテールを継承し、モダンさを取り入れたネオクラシック調に仕上げられています。同様にインテリアも最新のディスプレイなどを備えながらも、3連補助メーターを装備するなどヴィンテージ感もミックスさせています。
新型フェアレディZはアメリカがメインマーケットであり、アメリカ市場で日産ブランドを再建するためのシンボルと位置づけられており、話題を集めることはできそうです。