日産自動車は2021年12月2日、電気自動車「アリア」の高性能なパワートレインを訴求する「アリア・シングルシーター・コンセプト」を発表した。
このコンセプトモデルは、「アリア」のパワートレインをシングルシーター(1人乗り)レーシングカーのシャシーに搭載したもので、未来の電動車両が、パフォーマンスをより追求した場合、どのようなスタイリングになるかを考察したもの。
グローバルマーケティング ブランドエンゲージメント担当副本部長のフアン・オヨスは、「日産では、他がやらぬことをやるという精神があります。このコンセプトでは、高性能なアリアのパワートレインの可能性を、モータースポーツのパッケージで追求しました。ロードカーのデザインやスタイリングの提案だけでなく、効率的なEVへの新しいアプローチを考察しています。本プロジェクトは、市販車からレースカーまでワクワクを提供し、レースカーで培ったノウハウや技術によって市販車をさらに進化させていく日産ならではの取り組みです」と語っている。
日産のグローバルデザインを担当する専務執行役員アルフォンソ・アルバイサは、「私たちは、長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』においても『タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム』というデザイン言語を継続して採用していきます。そして、『アリア・シングルシーター・コンセプト』は、日本語の『駿』と『翔』という言葉を体現し、素早く軽やかに走る、力強く、優雅に羽ばたく姿を表現しています。アリアのEVパワートレインを、モータースポーツから着想を得たパッケージに活用することで、私たちのチームは、スピードや技術、芸術性などを表現する新たな感覚を得ることができました」と語っている。
「アリア・シングルシーター・コンセプト」は、「アリア」のデザインを踏襲しており、フロントには象徴的な「V」のデザインがライトで表現され、側面はカーボンファイバーを用いて、アリアの流動的で無駄のない表面が表現されている。
その一方で、日産が次世代のデザインテーマとしている「駿」と「翔」のコンセプトをイメージさせる存在でもある。
またいうまでもなく、日産のABB FIAフォーミュラE世界選手権への参戦は、「アリア・シングルシーター・コンセプト」を生み出す上でベースとなっている。
日産のグローバル モータースポーツダイレクターのトマソ・ヴォルペは、「日産がフォーミュラEに参戦しているのは、レースをするためだけではありません。より魅力的なEVの開発をサポートするためでもあります。日産では、EVとフォーミュラEの活動が、相互に影響を与えています。『アリア・シングルシーター・コンセプト』は、『アリア』のパワートレインや革新的な4輪駆動システムをレーシングカーのシャシーに組み合わせることで、EVのさらなる可能性とワクワクする魅力を追求しています」と語っている。