2016年7月1日、日産はCSR (企業の社会的責任) に関する方針や活動をまとめた年次報告書の最新版、「サステナビリティレポート2016」を発行。グローバル企業活動から排出される二酸化炭素(CO2)を過去10年間で22.4%削減したと発表した。
CO2排出量の削減、ゼロ・エミッション車の普及、各施設での省エネルギー活動で大きな成果を挙げており、その結果カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)が発表した主要企業の気候変動への取り組みに関する調査報告書においても、最も優れた自動車企業に選ばれている。
日産の企業活動による環境負荷低減のために、グローバルの各生産工場において省エネルギー診断を行なう専門チーム「NESCO (Nissan Energy Saving Collaboration)」などの取り組みが効果を発揮。さらに2015年には新たに「資源版 NESCO」を立ち上げ、天然資源や水使用の削減に努め、2016年度に発売される新型車に占める再生材の使用率25%を目指している。
2015年度の日産のグローバル企業活動におけるCO2の排出量は、2005年度比で22.4%削減している。その活動の例ではつぎのようなものだ。
■英国日産・サンダーランド工場では風力発電機10基に加え、1万9000枚のソーラーパネルを設置することで、年間3万1000台の車両を生産するのに十分なエネルギーを賄うことが可能になっている。風力発電機およびソーラーパネルから得られたエネルギーは、同工場のエネルギー総使用量の7%を占めている。
■メキシコ日産の風力とバイオマスを含む再生可能エネルギー資源の使用量は、2013年以来、アグアスカリエンテス工場で使用されたエネルギーの50%を占めている。
■国内におけるクリーンエネルギーの使用率を8%から16%に増加させる新たな取り組みとして、日産テクニカルセンター、栃木工場、追浜工場、横浜工場、座間事業所など、大量の電力を必要とする生産工場でのエネルギー供給を改善。
日産は継続的に「ゼロ・エミッション車の普及」、「低燃費車の拡大」、「カーボンフットプリントの最小化」、「新たに採掘する天然資源の最小化」という4つの重点活動領域で企業活動に取り組み、「サステナビリティレポート2016」で発表している。