2013年11月5日、ルノー・日産アライアンスと三菱自動車は、商品、技術、生産能力について3社で共用する新たなプロジェクトを共同で検討することに合意したと発表した。この合意により、日産と三菱自動車の戦略的協力関係が、ルノー・日産アライアンスにまで拡大することになった。
日産と三菱自動車は、両社の合弁会社である「NMKV」(2011年6月設立）を今後さらに発展・強化し、電気自動車バージョンを含む新たなグローバルエントリーカーの共同開発を検討しているという。この車両は、日本国内市場で人気の高い軽自動車のプラットフォームをベースとする予定だと発表した。
また、ルノー・日産アライアンスと三菱自動車は、電気自動車、最新のプラットフォームに関連した技術と商品を共用していく意向だとしている。ルノー、日産、三菱自動車は、共に量販型ゼロエミッション車の発売においてパイオニアであり、2020年までに3社ともクルマの電動化ナンバーワンのメーカーを目指すと宣言してきたが、今回のコラボレーションにより3社一体で目標を達成するというロードマップが明確になった。
ルノーと三菱自動車は、まずルノーの車両をベースにした三菱ブランドの新型セダン2車種の発売を、以下の前提で検討し、それ以降のプロジェクトについても今後検討を行なっていくという。
ルノー/三菱のセダン第1弾は、アメリカ、カナダのDセグメント市場に投入を予定するもので、生産場所は韓国、釜山のルノー・サムスン工場となる。この車種はルノー・フルエンスと見られる。セダン第2弾は、グローバルCセグメント市場に投入を予定するもので、生産工場は現在協議中としている。これは次世代ルノー･メガーヌだろう。
ルノー・日産アライアンスの会長兼CEOのカルロス・ゴーン氏は、「日産と三菱自動車は、今までもいくつかの協業を行ない、メリットを享受してきました。最も新しい協業は、日本での軽自動車の合弁会社の成功です。この協力関係の拡大に向け検討を行なっていくことを喜ばしく思います。これは、日産と三菱自動車の間の生産的な協力関係をさらに活用し、ルノーに新たな機会をもたらすことになります」と述べている。
三菱自動車社長の益子修は、「三菱自動車は、今までの日産自動車との共同プロジェクトの結果として、再び日産とそして今回はルノーとも、さらなる協業を共に推進していけることを嬉しく思っています。この新たな機会は、三菱自動車と日産の現行の共同プロジェクトが有益な成果をもたらしていることの証と言えます。私たちは、ルノー・日産アライアンスとの共同プロジェクトにより、さらなるメリットがもたらされることを願っています。」と述べました。
三菱自動車は、今後はオリジナル車種開発としてSUV、クロスオーバーカーに選択的集中を行ない、セダンに関しては日産、ルノーのクルマをベースに、あるいはOEM形式で販売すると考えられる。
また日産・ルノーはこれまでにダイムラー･ベンツ社と業務提携を行ない、アメリカ市場、ヨーロッパでコラボ･モデルお2014年には送り出し、ロシアではナンバーワンメーカーのアフトワズと合弁会社をスタートさせるなど、世界市場を見据えての合従連衡を進めてきているが、三菱との提携により、EV分野でのリーダーシップを3社で強固にするという策に打って出たことは大いに注目できる。
