日産自動車と三菱自動車および、両社の合弁会社NMKVは、次期型軽自動車の開発をこれまで同様に3社共同でプロジェクトを進めていくことに合意した。近く、3社間でMOU(覚書)を締結する予定だ。
日産と三菱の軽自動車に関する協業事業は、2011年6月に企画開発を行なう合弁会社としてNMKVを設立し、2013年6月に「デイズ」と「eKワゴン」、2014年2月に「デイズルークス」と「eKスペース」を市場にリリース。両ブランドを合わせた販売台数は、2015年9月末までに累計50万台を達成するなど、一定の成果を上げている。
軽自動車は年間200万台規模の大型市場で競争は年々激化。3社は今後さらに競争力ある商品を開発していくため、最適なリソース配分・役割分担を構築していくという。
具体的には、設計開発や実験などの開発業務については、これまで以上に日産が深くかかわっていくこととなる。また、NMKVの機能を強化し、これまで担当してきた商品企画やプロジェクト開発などのマネジメント機能に加え、開発と生産の連携をより円滑、強化するための部署を新たに設ける。なお、生産については、引き続き、三菱の水島製作所になる予定だ。
また、この協業プロジェクトでは、軽自動車EVの企画開発にも取り組んでいるが、軽EVを含め、次期型軽自動車の車両概要、発売時期などの詳細については、改めて公表する予定とのこと。
今回の基本合意について日産の西川廣人CCOは、「次期型軽自動車から、日産自動車が開発業務により深くかかわることで、既に登録車に採用している安全・環境などの先進的な技術を、軽自動車領域にまで適用拡大することができる。これを機に、両社のノウハウを結集して、商品並びに商品ラインアップの充実を図り、魅力的なクルマをお届けしたい」とコメント。
また、三菱の相川哲郎社長兼COOは、「三菱にとって軽自動車は、国内販売の過半数を占める重要セグメントで、今後もNMKVを通して両社の強みを融合し、魅力のある商品を市場に投入して行く」と語った。
NMKVの遠藤淳一社長兼CEOは、「新しいスキームは、これまでのNMKVの取り組みが一定の成果をあげ、協業がより深化することを意味する。三菱の軽開発、生産のノウハウと、日産の技術を融合し、プロジェクトをリードしていきたい」とコメントしている。