60km/ hからでも自動停止する日産の衝突安全回避

7月28日、日産がスバルに続いて追突回避、プリクラッシュブレーキの技術発表を行った。

日産は従来からレーザーレーダーを使用したプリクラッシュシステム、アダプティブクルーズコントロールを採用していたが、従来のクルーズコントロールは5km/h〜100km/hの範囲での設定であった。しかし、規制の変更に伴い、0km/h〜100km/hの全車速追従が可能になり、自動停止も行うことができるようになった。

またナビ協調制御も行われ、ナビの地図データでカーブを先読みして自動減速した後、設定車速に復帰する機能も備えている。

新たに発表されたプリクラッシュブレーキは自動ブレーキ&停止が実現された。日産はレーザーレーダーを使用して、先行車、障害物を認識し、車間距離が縮まると警告表示と警告音とともに、アクセルペダルを自動的に押し戻し、緩やかなブレーキをかけることでドライバーに安全な回避操作を行えるよう支援することが第一の特徴だ。なお、このシステムでは60km/h以下の車速で作動するようになっている。

ドライバーが警報や緩やかな自動ブレーキでの状態でもブレーキを踏まず、追突の危険が迫っていると判断されると、さらに強い警報と同時に自動的に強い自動ブレーキをかける。この時にはシートベルトを巻き上げ、たるみを減少させることで、乗員の拘束性も高めるなど、プリクラッシュ制御が行われる。

先行車や障害物との速度差が30km/h以下であれば衝突を回避できるのは、他車と同じである。このプリクラッシュブレーキは、今秋発売されるフーガに採用される予定だ。

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またこのプリクラッシュブレーキとは別に、7月26日に移動物検知(MOD: Moving Object Detection)機能を開発したと発表した。これはすでに発売されているクルマの全周を視認できるアラウンドビューモニターを利用し、停車中や発進・低速走行時に自車の周辺に歩行者などの移動物があると、ディスプレイ上の表示とブザーでドライバーに警告するシステムだ。

例えば駐車スペースからの発進時や、左右の見通しの悪い交差点への進入時にドライバーの視界確保を支援し、見落としによる事故を防ぐことが期待できる。このMOD機能は新たなセンサーはなしで、画像認識技術により実現しているという。

 

文:松本晴比古

 

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