三菱RVR 洗練された都会派へ【試乗記】(4WD/6速CVT)

三菱のコンパクトSUV「RVR」が2019年8月にマイナーチェンジを受け、主にデザイン変更と安全装備類の変更だが、改めて試乗をしてきた。ボディサイズがBセグメントサイズとCセグメントサイズの中間あたりで、大きさ的にはちょうどいいサイズを実感する試乗だった。

マイナーチェンジしたRVR。コンパクトSUVはちょうどいい大きさ
マイナーチェンジしたRVR。コンパクトSUVはちょうどいい大きさ

この動画は、ラジオ番組企画でDJの伊藤梓さんが体当たりをする「AZAZの体当たりチャレンジ」のコーナーで、新型RVRで目的地まで行き、カヌーに乗って紅葉見物する体験をしてきたその様子だ。

ダイナミックシールドの顔

今回のマイナーチェンジで最大の魅力を感じたのは、ダイナミックシールドのデザイン言語で表現されるフロントマスクの変更だろう。エクリスプス クロスやアウトランダー、デリカD:5などに共通するダイナミックシールドデザインは、都会に映える存在感のあるデザインだ。RVRは洗練された都会派へと変貌したように思う。

三菱の顔、ダイナミックシールド。縦型ランプなど個性も豊かで存在感がある
三菱の顔、ダイナミックシールド。縦型ランプなど個性も豊かで存在感がある

アルファベットの「C」のような、左右から中央に向かって巻き込むバンパーのプロテクト形状とフェイス全体の厚みを増すことで、力強さとともに存在感が際立つようになった。また、LEDランプを多用したランプ類でも三菱らしく特徴的な縦型のレイアウトを用いるなど、個性も十分持ったデザインに仕上がっている。ちなみに、ターンランプをヘッドライトから独立させ、フォグランプとともにバンパーサイドに設置し視認性があがっている。リヤも水平基調のテールランプデザインなどワイド感を感じさせるデザインになった。

試乗車は18インチサイズのタイヤを装着。ボディカラーは新色のサンシャインオレンジメタリック
試乗車は18インチサイズのタイヤを装着。ボディカラーは新色のサンシャインオレンジメタリック

尖ることなく落ち着いたダイナミック性能

パワートレーンには変更なく従来どおりで、1.8Lの4気筒自然吸気ガソリンエンジンに6速スポーツモードCVTを搭載している。スペックは102kW(139ps)/4500rpm、172Nm/4500rpmで、JC08モード燃費はFFが15.0km/L、4WDが14.4km/Lとなっている。

Bセグメントプラスの使い勝手の良いサイズでオンデマンド4WDを搭載
Bセグメントプラスの使い勝手の良いサイズでオンデマンド4WDを搭載

ボディサイズはBセグメントサイズプラスで、全長4365mm、全幅1810mm、全高1640mm。国内ではちょうどいいサイズだと思う。このRVRはじつはグローバルモデルで世界90ヶ国で販売されており、海外では「ASX」の名称で販売されている。販売台数的にも好調なデータがあり、モデルライフの長さにつながっているモデルなのだ。

癖のない試乗フィールでステア応答性はスローな方向。最近のSUVにクイックなモデルが増えてきていることに対してのスローという表現で、スポーティさを強調するあまり、動きすぎるモデルが多い中、実際はちょうどいい塩梅に制御されている。だから、だれが乗っても違和感はなく、ホッとする安心感がある。

また電子制御のオンデマンド式4WDを採用しているので、走行中でもFFから4WDへ変更ができる。悪路はもちろん、滑りやすい路面、豪雨のような状況でこの4WDは威力を発揮する。もちろん、都会派とはいえSUVとしての基本性能を三菱が軽視するわけでもなく、しっかりSUVの性能を持ち合わせているのはいうまでもない。

試乗車はトップグレードの「G」モデルで18インチのタイヤを装備しているが、乗り心地を全く損なわず履きこなしている。17インチの設定はなく、下は16インチになるので乗り心地を重視するなら16インチサイズがお勧めではあるが、都会派のフェイスになった最新のRVRにはやはり18インチサイズが似合っていた。

リヤバンパー下部にもプロテクターが付き、SUVとしの性能もきちんと確保
リヤバンパー下部にもプロテクターが付き、SUVとしの性能もきちんと確保

サスペンションではダンパーが硬めの設定ではあるが、フリクション感はない。さまざまな路面状況を想定すると、これくらいの硬さは安心感につながるのではないかと感じる。

シートポジションは高めで、見下ろし感があるので、特に女性には安心感のある運転席からの視界だと感じるはずだ。だから、スポーティなサスペンションと見晴らしのよい視界、適度なステア応答性など尖らない落ち着いた方向でまとめられている。

気になるポイントとしてはキャビンフォワードしているので、慣れないと少しハンドル位置からフロントウインドウまでの距離に違和感を感じるかもしれないが、それも慣れてしまえば違和感にはならないだろう。

シートポジションは高く見下ろし感のあるドラポジ。視界はよく運転しやすい
シートポジションは高く見下ろし感のあるドラポジ。視界はよく運転しやすい

オーディオディスプレイを搭載

ナビ機能はそのままにスマホと連携できる機能も追加された
ナビ機能はそのままにスマホと連携できる機能も追加された

インテリアでは「G」グレードにシート生地に幾何学パターンが採用され、こうしたさりげないものでもスポーティさが伝わってくる。が、なんといってもディスプレイオーティオ対応になったことが好ましい。

しかも地図を内蔵しているので、従来の地図ナビのまま使えつつ、Android AutoとApple CarplayがUSB接続で使えるようになったのは嬉しい。お気に入りの音楽や使い勝手のよいアプリなどが車内でも使えるようになった。

安全装備でも三菱の予防安全技術「e-Assist」を全車に装備し、前進時の誤発進抑制機能も追加されている。国が推し進める「サポカーSワイド」にも該当した。

安全装備も充実させ前進誤発進抑制やサポカーSワイドに該当
安全装備も充実させ前進誤発進抑制やサポカーSワイドに該当

横幅いっぱいに広がる水平基調のテールランプ
横幅いっぱいに広がる水平基調のテールランプ

トップグレードGには18インチサイズのタイヤ&ホイールが装備される
トップグレードGには18インチサイズのタイヤ&ホイールが装備される

後席の広さはクラスレベル。大人4人は全く問題のない広さ
後席の広さはクラスレベル。大人4人は全く問題のない広さ

メーカーオプションのナビは8インチサイズで、Apple Carplay Android Autoに対応
メーカーオプションのナビは8インチサイズで、Apple Carplay Android Autoに対応

2眼式メーターはオーソドックスで見やすい
2眼式メーターはオーソドックスで見やすい

試乗車諸元

  • エンジン:1.8L・4気筒MIVECガソリン
  • 最大出力:102kW(139ps)/4500rpm
  • 最大トルク:172Nm/4500rpm
  • 駆動方式:4WD(FFあり)
  • トランスミッション:INVECS-Ⅲ 6速スポーツモードCVT
  • ボディサイズ:全長4365mm、全幅1810mm、全高1640mm、ホイールベース2670mm

【価格】

グレード エンジン 変速機 駆動方式 車両本体価格
(消費税10%込)
M 1.8L SOHC 16バルブ4気筒
MIVEC(*1)
(AS&G付)(*2)
INVECS-III
6速スポーツモード
CVT
2WD 2,143,900円
G 2,314,400円
M 4WD 2,384,800円
G 2,555,300円

(リサイクル料金、保険料、消費税を除く税金、登録等に伴う費用は含まれません)
*1:MIVEC…Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system。
三菱自動車の可変バルブタイミング機構の総称。
*2:AS&G…オートストップ&ゴー。アイドリングストップ機能。

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