【三菱】新型ミラージュ試乗記 低価格、省燃費、コンパクトな日本仕様に乗った!

マニアック評価vol116
気になる国内仕様の3気筒エンジン

2012年3月20日にタイでワールドプレミアされた三菱の新型ミラージュは、すでにタイでは販売がスタートしている。5月31日時点での受注も2万5000台を記録するなど、好調な滑り出しをしている。新型ミラージュは、北米、欧州、ASEAN、豪州と世界中に販売されるグローバルコンパクト。日本国内では7月末発表、8月末発売の予定だという。新型ミラージュの国内仕様に試乗するチャンスがあったので、レポートをお届けしよう。

新型ミラージュの試乗ステージは、大駐車場を閉鎖した特設コース。クランクコースや車庫入れ、パイロンスラロームなどが設定されていた。国内での認証が取得できていないためクローズドエリアでの試乗だ。公道でのチェックはもう少し待たねばならない。

同じミラージュでも、タイの現地仕様と国内仕様とでは、搭載されるエンジンが異なる。タイ仕様は1.2Lだが、国内仕様は1.0Lエンジンだ。ミッションはともに副変速機付きのJATCO製CVTである。タイ仕様のインプレッションは佐藤久実氏によるレポートを読んでいただきたい。今回試乗したモデルは日本仕様の量産開始が7月からのため、最終仕様とはボディ剛性などに若干の違いがあるという。

新型ミラージュのフロント画像新型ミラージュのリヤ画像

新型ミラージュのサイド画像

新型ミラージュの正面画像新型ミラージュの真後ろ画像

新型ミラージュの開発の主眼に置かれたものは、低価格、低燃費、コンパクトサイズという3点に代表される。価格については100万円を切るべく調整が進められているという。燃費については三菱のテストデータではJC08モードで27.2km/Lを達成。この数値はもちろん、ガソリン車トップの低燃費である。

コンパクトサイズというポイントについては、今回の試乗でも確認できた。全長は3.71m×全幅1.665m×全高1.49mというサイズでありながら、室内は広く、特にリヤシートの広さには驚かされる。身長178cmのタカハシでもリヤシートで余裕がある広さ。膝からフロントシートの背もたれまでの距離がたっぷりとあり、コンパクトカーとは思えない広さを確保している。

コンパクトなだけに、リヤのラゲッジスペースが犠牲になっているのかといえば、荷室もクラス相応といえる十分な広さを確保。使い勝手においても非常に便利で使いやすいことが容易に想像できる。また、リヤのサイドウインドウもドア内に全部収納され、中途半端にガラスがはみ出すことがない、などの点も気持ちいい。

新型ミラージュのフロントシート画像新型ミラージュのリヤシート画像

新型ミラージュの荷室画像新型ミラージュのコクピット画像

軽量でコンパクトなボディは扱いやすく実用的

新型ミラージュの最小回転半径の画像
4.4mの最小回転半径だから、狭い場所でも気軽に駐車できる

エンジンは3気筒のため、偶力による振動が予測されたが、実際に試乗してもほとんど気にならなかった。ライバルとなるマーチはこの点でエンジンマウントにペンデュラム方式でマウントし、振動を吸収する工夫をしているが、ミラージュでは通常のマウント方式とのこと。つまり、軽量化されたエンジン自体の振動が少ないのかもしれない。

新型ミラージュのエンジン画像新型ミラージュの機能画像

クランクコースや車庫入れというシチュエーションでは、最小回転半径が4.4mという新型ミラージュの小ささを体感する。4.4mという最小半径は軽自動車のEKワゴンと同等というから、ボディサイズから想像する以上に小回りが利く。実用面でも大いに歓迎されるだろう。低速時のハンドル操作も軽快。力のない女性でも軽々とハンドルを回せるし、車庫入れも苦にならないだろう。

ボンネットの両端が常に視界に入るため、狭い場所での見切りがいい。さらにサイドウインドウの位置も低いため、総じて視界が広く、開放感が伴うことも安心感に繋がる。

40km/L程度の実用域速度でのパイロンスラロームでは、ハンドル操作にやや力が必要となるように変化し、手ごたえが出てくるセッティングになっている。ある程度の速度域になるとハンドルにはインフォメーションが伝わり、その重さが安心感へと繋がる。

60km/L程度までのテストだが、直進性はしっかりしていて安心感がある。過敏でも鈍感でもなく、微操舵での反応も適度に穏やか。

最終仕様と異なるボディ剛性について広報部から説明はあったものの、今回の試乗では懸念されるような不満は感じられなかった。今後さらに改良されて市販となれば、この点は杞憂だろう。

軽量化されたボディということで、気になるのは衝突安全性と騒音・振動。衝突安全性に関しては三菱が開発を進めている衝突安全強化ボディRISEを採用し、55km/L前面、及び側面衝突、64km/Lオフセット衝突でクラストップレベルの高い安全性を確保している。騒音、振動については、試乗したかぎりではクラス相応のレベルだと思う。

今回の新型ミラージュの試乗は限定されたものだったが、軽量、コンパクトで小回りが利くことなどから、実用面で非常にメリットが大きいモデルというのは確認できた。一般公道での試乗も楽しみである。

 

 

■ミラージュ主要諸元

●全長3710mm×全幅1665mm×全高1490mm ホイールベース2450mm ●JC08モード燃費27.2km/L ●排気量1.0L 3気筒MIVEC ●副変速機付CVT ●タイヤ165/65-14 ●アイドルストップ機能付

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三菱自動車公式サイト

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