日本郵便は2019年11月13日、三菱の軽・電気自動車「ミニキャブ ミーブ バン」を新たに1200台導入することが決定しているが、その専用デザインを発表した。このミニキャブ ミーブ バンは東京をはじめとする大都市圏の郵便局を中心に配備し、主に郵便物や荷物の配送に使用される。

都内には855台を投入
ミニキャブ ミーブ バンは、すでに納入済みの実証試験用の49台に加え、2019年度中に400台、2020年度中に800台が納車される予定だ。都内各地の大都市圏を中心に配車されるが、都内では今回の「ミニキャブ ミーブ バン」の大量導入により、2020年度末には東京都内における郵便物や荷物の配送に使用する 軽4輪自動車の30%が電気自動車となる。

具体的には東京だけで855台が配車され、今回発表会が行なわれた銀座郵便局では20台が割り当てられるなど、2020年には都内のあちこちでこの電気自動車をみかけることになるだろう。
日本郵政グループ全体でCO2削減を目指す
日本郵政はパリ協定の決定を受け、グループ全体で2020年度に温室効果ガスを4.7万トン、2030年は16.9万トンの削減を目指している。2030年度の目標は2016年と対比してCO2は16%の削減となる。日本郵政グループのCO2排出量は、建屋の光熱によるCO2排出が最も多いが、輸送・配達部門でも車両を更新することで車両からのCO2排出量を2016年から2018年の3カ年で、約5%の削減を達成しているという。
今回の電気自動車の大量導入により、都内では約15%のCO2排出量削減になるという。ちなみに車両1台あたりのCO2排出量は従来の内燃エンジン車に比べ約50%の削減となる。
EV専用デザイン
車体色は従来どおりの日本郵便のコーポレートカラーの赤色で、イメージキャラクターの「ぽすくま」が充電用のケーブルを持つ姿のイラストと「EV」のロゴが白色で強調されている。ちなみに、今回の日本郵便レッドは、三菱の水島工場のラインで塗装される。またEV用の「ぽすくま」のデザインは、切手デザイナーがデザインしたという。
車両は、荷室に日本郵便仕様車専用に荷物をさばきやすいように木製のスノコが設置され、スライドドア部分には荷物の落下防止用のネットが装備されている。
「ミニキャブ ミーブ バン」は総電力容量10.5kWh(16kWh仕様も設定)のリチウムイオン・バッテリーを搭載し、JC08モードで100kmの航続距離を持つ。郵便局の集荷・配達用の軽自動車バンは、地方で1日あたりの走行距離が約80km、都内では50km程度で、業務として短距離での走行、停止が繰り返されるため、電気自動車は用途に最適なクルマといえる。そして業務の終了後に普通充電を行なうことで翌朝には満充電とすることができ、急速充電器の必要もないわけだ。

こうした日常的に、ほぼ一定のルートで、短距離の集荷・配達を行なうという業務では、電気自動車の優位性を改めて確認することができる。