三菱自動車は2015年10月22日、トールワゴンタイプの軽自動車「eKカスタム」と「eKワゴン」を大幅に改良し、全国の系列販売会社を通じて販売を開始した。今回の改良は、デザイン面の変更や燃費性能の向上、機能装備の充実など、多岐にわたる。
グレード展開では、両車共通の変更点として、上級グレードの「G」とターボエンジン搭載車の「T」で、低車速域衝突被害軽減ブレーキシステムと誤発進抑制機能を備えた従来の「e-Assist(イーアシスト)」に、オートマチックハイビームとオートライトコントロール、マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付き)を追加。グレード名称を「e-Assist」から「Safety Package(セーフティ・パッケージ)」に変更した。
また、eKワゴンに従来設定がなかったターボエンジン搭載モデルを追加している。
エクステリアでは、モダンでスポーティなデザインの8本スポーク14インチアルミホイールと、LEDリヤコンビランプを両車に採用しているのが、基本的な変更点。
加えて、ekカスタムでは、「人とクルマを守る」機能を表現した三菱の新しいフロントデザインコンセプト「ダイナミクシールド」を導入。バンパーセンターを質感の高いグロスブラックとし、バンバー左右下部にLEDイルミネーションを配しているのが特徴だ。
また、最上級の「T Safety Package」には、ダークグレーの塗装と光輝切削処理を施した、スポーティな15インチアルミホイールを標準装備している。
一方、eKワゴンでは、フロントバンパーのデザインを変更し、アッパーグリル幅を上下に拡大する事でスポーティな印象を強めるとともに、左右下部にガーニッシュを追加し安定感を表現。また、光軸自動調整機構付きディスチャージヘッドライトを採用したほか、ボディカラーにポピーレッドメタリック、ウォーターブルーメタリック、シトラスイエローソリッドを新設定し、全9色の展開とした。
インテリアの共通の変更点は、センターパネル下に、スマートフォンや携帯電話などの小物を置ける「センターオープントレー」を新たに設置している。
eKカスタムは、パワーウィンドウスイッチパネルに、メッキ調ラインモール加飾を追加したほか、「T Safety Package」に新デザインのステアリングホイールを採用した。
eKワゴンは、シートのメイン生地をアーガイル柄のスエード調トリコットに変更するとともに、ブラウンとアイボリーの2トーンカラーを採用。また、スピードメーターのデザインも変更されている。
燃費・走行性能の面では、NAエンジン車は電子制御サーモスタッドの採用やCVT制御の見直しなどにより、JC08モード燃費で2WD車が30.4km/L(従来から+0.4km/L)に向上。4WD車ではオートストップ&ゴー(コーストストップ機能付き)やアシストバッテリーを新たに採用したことで、26.6km/L(同+0.6km/L)となった。
また、ターボエンジン搭載車では、オートストップ&ゴー(コーストストップ機能付)とアシストバッテリーの新採用により、2WD車で26.2km/L(+2.8km/L)、4WD車で25.0km/L(+2.4km/L)に向上した。
このほか、ショックアブソーバーの減衰力とEPS制御を最適化したことで、乗り心地と取り回し性を向上させている。
装備面では、前述のように、ハイビームとロービームを自動的に切り替える軽自動車初採用のオートマチックハイビーム、ルームミラー内のモニターに車両を真上から見下ろす視点で映し出すマルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付き)、オートライトを標準装備した「Safety Package」を新設定。
また、フロントウィンドシールド(約100%UVカット)とフロントドア(約99%UVカット)に、直射日光によるジリジリ感を和らげ、インパネ上面の温度上昇を抑制するIRカット機能を追加した。